2022年12月7日9:00
パナソニック コネクトは、NIST(米国国立標準技術研究所)の顔認証ベンチマークテスト(NIST FRVT 1:1)において、世界1位の評価を獲得したと発表した。
同顔認証ベンチマークテストにおいて、Vision Transformerと呼ばれる最新のディープラーニング技術に、独自改良を加えた方式を開発し、経年変化・顔向き・照明変動のある厳しい環境においても高精度に顔認証できる点が評価されたという。経年変化を含む評価データにおいて、本人認証時のエラー率(本人拒否率)0.206パーセントという結果が得られ、世界1位の評価獲得につながったそうだ。また、顔向き・照明変動を含む評価データにおいても世界最高水準の評価を獲得したという。
パナソニック コネクトは、60年以上のカメラ開発の歴史を持ち、約40年以上の映像・画像解析技術の開発を行ってきた。同技術を活用し、カメラの画像処理で培った画像を鮮明にする技術と、顔の特徴を学習するディープラーニング技術の応用により、顔認証の技術を磨き、2008年からデジタルカメラLumixのオートフォーカス機能への搭載を始めた。2017年からはパナソニックR&Dセンターシンガポールと共同してNISTのベンチマークテストに取り組み、世界最高水準の評価を継続して取得している。
現在国内7つの空港で209基の顔認証システムが稼働し、日本人の出帰国、外国人の帰国時のパスポート審査に使用されている。 民生用途では、オフィスでの利用や、アミューズメントパークや各種イベントの入退管理での利用が進んでいるとした。 病院や薬局でのマイナンバーカードの認証に使用する顔認証付きカードリーダーは全国に10万台導入されている。 さまざまな顔認証の利活用を可能とするクラウドサービスにおいても、顔認証を自社システムに組み込んで新たなサービスを提供したい企業に向けて、2019年よりサービスの提供を開始し、現在パートナープログラムの加入企業は114社となった。 技術開発面では、1:1や1:Nではなく、複数の人の顔を1つのカメラで同時に本人認証するM:N技術の開発も進めている。さらには、顔認証を活用し、顔情報と本人情報を連携させることで、決済や入退管理、物の受け取り確認など、さまざまな現場の用途に対応できる統合IDプラットフォームの構築にも着手し、技術開発に加えて、利用者の利便性をさらに向上させる取り組みを続けているとした。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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