ENECHANGEとeMPが提携 EV充電器がアプリに加え、カード一枚で利用可能に

2023年2月14日9:48

ENECHANGE(エネチェンジ)と、e-Mobility Power(eMP)は、2023年2月9日に記者説明会を開催し、2023年4月からeMPのネットワークを利用可能な充電カードでENECHANGEの6kWの充電器が利用できるようになると発表した。これにより、ENECHANGEではアプリユーザーの利用に加え、「カード一枚でどこでも充電できる」世界が実現できるようになる。

左からe-Mobility Power 代表取締役社長 四ツ柳尚子氏、ENECHANGE 代表取締役CEO 城口洋平氏(右)

普通充電器不足と低出力が課題に
基礎充電と目的地充電での設置強化

ENECHANGEは、2015年に設立。2020年に東証マザーズに上場し、そのタイミングと同じくしてEV充電の事業に参入している。同社が考える国内のEV充電の課題として、人口当たりの公共充電機器数を諸外国と比較すると、日本では特に普通充電器の設置が少ないことを挙げた。また、急速充電器の設置数は主要国並みだが、フランス、米国、ドイツなども足りない状況であり、日本が進んでいるわけではないという。そのため、「日本中が力を合わせて普及させていく必要がある」とENECHANGE 代表取締役CEO 城口洋平氏は話す。また、6kWの充電器の設置数の割合が0.3%と少ない。99%以上の充電器が3kWであるため、アップグレードしていく必要があるとした。

ENECHANGEでは、基礎充電、目的地充電の普及を目指し、6kWの普通充電器の設置を進めている。同社では、タレントののんさんを起用した広告などを展開。6kW充電器を補助金活用と、同社の投資により、施設オーナーが負担なく設置できる0円プランも用意した。主に宿泊施設やゴルフ場、商業施設、自治体施設などへの設置が進んでおり、目的地充電として、「人が2時間~3時間滞在する場所を想定しています」と話す。

同社ではEV充電器の設置を2023年6月までに3,000台を目指すとしていたが、2022年12月末までで約2,500台を受注している。四半期約1,000台を設置できるペースとなっており、楽天トラベル、ゴルフダイジェスト・オンラインなどのパートナー企業との設置も強化している。例えば、楽天トラベルでは、施設への設置を進めるとともに、「EV充電器のある宿」についての特集をしてもらっている。また、ゴルフダイジェスト・オンラインはゴルフ場への設置で協力を得ている。

政府では、2030年までに日本中に15万台のEV充電が必要であるとしており、そのうち普通充電器は12万台と言われる。残り8年で年間1万台の設置が求められるが、ENECHANGEでは現在、年間5,000台の設置ができる状態となっており、約5割のシェアを担うことができると見ている。

充電器を1枚のカードで利用可能に
2030年に3万口の実現目指す

一方、eMPは2019年10月に設立。前身の日本充電サービスからEV・PHV充電ネットワーク事業を承継し、2021年6月にはジャパンチャージネットワークの全株式を取得。2023年4月に同社の吸収合併による経営統合を予定している。同社では2023年1月現在、全国に約2万口のネットワーク接続充電口数があり、そのうち自動車ディーラーなどが設置する急速充電気が約7,800口(eMPは約3,000)、普通充電器が約1万2,600口ある。

eMPは、充電器の設置事業者であるが、提携パートナーと呼ばれる充電器設置事業者と連携しており、今回新たにENECHANGEと連携する。日本の充電システムは、2014年以降、自動車メーカー主導でユーザーの利便性に配慮した仕組みが形作られており、さまざまな企業や自治体が設置した充電器を1枚のカードで利用可能だ。eMP 代表取締役社長 四ツ柳尚子氏は「カードユーザーが日本中どこに移動してもかざすだけで、次の移動、目的地に行ける世界観を提供しています」と説明する。ネットワーク認証基盤システムでは、充電器の裏方となる基盤システムで、交通系ICカードのSuica、ICOCA、PASMOが全国の鉄道で利用できるシステムに似ており、そのやり取りのハブとなる役割を同社が担っている。

eMPでは、高速道路、コンビニエンスストア、道の駅の経路上の要衝に急速充電器を設置している。eMPでは、2025年頃までに新設・既存充電器の更新に合わせて複数口化と高出力対応を同時に実施。現在の7,500から1万5,000口、2030年に3万口の実現を目指しており、「極めて現実的な数字」であるとした。

四ツ柳氏は、今回のENECHANGEとの提携により、世界からベンチマークしていただける充電インフラを構築していきたいとした。

12社発行のEV・PHV充電カードを利用可能に
ENECHANGEは6kW対応、タッチ機能搭載で差別化

EV Smartによるユーザー調査によると、「充電カードでENECHANGEの充電ができることは魅力的か?」という問いに対し、77%のユーザーが魅力を感じる結果となった。現状は、ENECHANGEのアプリをダウンロードし、クレジットカードなどを登録して、充電器のQRコードを読み取ることで充電が可能だ。城口氏によると、ENECHANGEのアプリを利用するユーザーからも手間がかかるという意見があったという。

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