JR九州、JRグループ初となる改札でのタッチ決済実証実験で可能性を探る

2023年4月6日8:05

JCBとAmerican Expressブランドでの利用は国内初に

JR九州は、三井住友カードやジェーシービー(JCB)などと共同で、Visa、JCB、American Expressの国際ブランドのクレジットカードのタッチ決済が利用できるサービスの実証実験を実施している。国内の買い物客のタッチ決済の普及や、インバウンド(訪日外国人観光客)の回復を見据え、交通系ICと同じようにタッチ決済で列車に乗車できるサービスの導入を検討する。タッチ決済の実証実験に取り組むのは、JR九州がグループでは初となるそうだ。

右からJR 九州 鉄道事業本部営業部企画課販売システム・IC カード担当課長の矢野進剛氏、同本部の吉田圭佑氏

国内外でのタッチ決済の普及に備える
鉄道での活用の可能性を検討

JR九州 鉄道事業本部営業部企画課販売システム・ICカード担当課長の矢野進剛氏は「システムの導入には一定のコストがかかるので、投資を回収するには時間がかかるでしょう。しかし、インバウンドが戻り、国内外の観光客がタッチ決済を当たり前に使うという世の中の流れが来るのであるならば、担当者としては、前向きに検討していかなければならないと考えています」と話す。

今回の実証実験には、このほか、日本信号、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンが参加している。各社の役割分担は、JR九州が鉄道の運行や乗客への案内、三井住友カードがキャッシュレス決済導入支援やsteraプラットフォームの提供、日本信号は交通系ICとタッチ決済一体型自動改札機の開発、QUADRACは交通事業者向け決済及び認証に関するSaaSプラットフォーム(Q-move)の提供、ビザ・ワールドワイド・ジャパンがVisa のタッチ決済に関するソリューション提供・認知プロモーションをそれぞれ担当する。

Visa・JCB・American Express のタッチ決済機能のあるカードやスマートフォンなどを自動改札機に設置の専用機器にかざすことで、列車を利用できる

博多駅など5駅で実証
大きなトラブルなく運用

実証実験は2022年7月22日から、Visaのタッチ決済でスタートした。JR九州の鹿児島本線5駅(博多駅は中央改札口、北改札口のみ利用可、吉塚駅、箱崎駅、千早駅、香椎駅は1階改札口のみ利用可)で、Visaのタッチ決済対応カードやスマートフォンなどを読み取りできる機器を自動改札機へ設置している。さらに、22年12月5日から、JCBとAmerican Expressブランドのタッチ決済を追加した。タッチ決済については、対象5駅の相互区間内での利用に限っている。

矢野氏は「有効なデータを集めるためには、ある程度利用される環境である必要があります。また、自動改札通過の際にトラブルが起きたケースを考えると、案内役の駅員がいる駅であり、本社からフォローしやすい場所であることが重要です」と実証実験の対象駅を選んだ理由を説明した。

今回活用している「stera transit」は、「stera」の決済プラットフォームと国際ブランドの非接触決済「タッチ決済」を活用した公共交通機関向けソリューションだ。利用者は、Visa、JCBおよびAmerican Expressのタッチ決済機能付きカードやスマートフォンなどを、自動改札機に設置している専用端末に入場時および出場時にかざすことで、列車を利用できる。

矢野氏は「JR九州の『SUGOCA』など、交通系ICカードと比べると、やや反応速度が遅れますが、私が使ってみた感触では、タッチ決済のユーザーが交通系ICと並ぶくらいに普及し、利用者が立て続けに自動改札を使うようにならない限り、ほとんど問題がないと思います」と話す。まだまだサンプルは少ないが、開始後の利用は徐々に伸びているそうだ。

九州地域で地下鉄や私鉄との連携は?
観光利用で戦略どう描く

実証実験は2023年3月31日で終了する予定で、4月以降、対象の駅や路線を増やすのか、対応可能なクレジットカードブランドを増やすのかなどについての方針は未定だ。矢野氏は「インバウンドが戻り始めたのは2022年12月からで、担当者としては、インバウンドの回復が本格化した時の反応などを検証するため、4月以降も、続けたいと希望しています」と言う。
※タッチ決済で自動改札機の入出場を行う実証実験を 2024年3月31日まで延長して実施している。

2009年から導入されたSUGOCAなど、交通系ICの普及が進んでいる中で、新たにタッチ決済の対応機器を自動改札に追加するには、乗客に対する新たな利便性の提供ができるかどうかが重要になる。

九州北部地域では、福岡市交通局が福岡市地下鉄を実証フィールドとして、クレジットカードのタッチ決済機能を活用した鉄道改札機通過に関する実証プロジェクトを実施しているほか、西日本鉄道(西鉄)でも、タッチ決済ができる自動改札の実証実験が行われている。こうした地域の公共交通機関との連携や、空港から観光地を結ぶ路線での利用促進に結びつく観光戦略が描けるかが鍵だ。

矢野氏は「今はまだ、主要駅に隣接するグループの商業施設や店舗でも、タッチ決済を利用できるインフラが整っていない状況です。今後、国内外の観光客やビジネス客が、タッチ決済を当たり前に使う時代を見据えて、JR九州グループで、または、地域と連携して、どういったサービスが提供できるのか、といった視点が求められています」と話している。

「決済・金融・流通サービスの強化書2023」より

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