2023年5月11日9:00
健康管理ポイント事業「Aruco」とも連携
千葉県市川市は、2023年5月22日~9月30日まで、デジタル地域通貨「ICHICO」(イチコ)の実証実験を八幡エリア(本八幡駅周辺)で実施する。また、健康管理ポイント事業「Aruco」(アルコ)も同時に開始。両取り組みにより市川市では、地域経済のさらなる活性化と市民の健康づくりを支援する。
市民の参加者は30%のプレミアムポイント付与
歩数などで貯めた「Aruco」はICHICOと交換可能に
「ICHICO」は、スマートフォンアプリをダウンロード、もしくは市からカードを受け取って利用できるデジタル地域通貨だ。利用者はセブン銀行ATMで金額をチャージして「1ICHICO=1円」として店舗での支払いに利用できる。「ICHICO」利用時には個人事業主、中小企業店舗で1%、大規模店舗で0.5%のポイントが付与される。
市川市では、市民を対象に、アプリ利用者1万500 人、カード利用者 4,500 人の利用を想定している。市では、5億8,500万 ICHICO(販売:4億5,000万 、プレミアムポイント:1億 3,500万)に加え、決済時に付与されるポイント分として450万ICHICOを予算に計上した。利用者は、1人3万円までチャージ(入金)でき、チャージ額の30%のプレミアムポイントが付与される。例えば、1万円分の「ICHICO」をチャージした場合、1万3,000円分の買い物が可能だ。貯まったポイントは、加盟店で1ポイント1円として利用可能だ。プレミアムポイントは実証実験の期間内のみで消費する必要があるが、「チャージ分や決済で付与されたポイントは事業終了後も一定の期間利用できる形を想定している」と市川市 経済観光部 経済産業課 デジタル地域通貨担当室の担当者は説明する。
店舗での支払いは、スマートフォンの専用アプリで店舗のQRコードを読み取る「MPM(Merchant Presented Mode)方式」、もしくは店舗のタブレットなどで利用者のQRコードを読み取る「CPM(Consumer Presented Mode)方式」の双方に対応する。スマートフォンアプリの利用者は双方の方式を利用できるが、カードの場合はCPM方式のみで支払うことが可能だ。
また、市川市ならではの特徴として、健康管理ポイント事業「Aruco」との連携が挙げられる。市川市では、健康寿命日本一のまちを目指している。「Aruco」では、歩数に応じて1日最大15Aruco、市内20カ所に設置してある体組成・血圧計の測定で1日最大20Arucoが貯まる。貯めたArucoは1,000Aruco毎に1,000ICHICOと交換し、地域通貨として利用可能だ。
さらに、市川市が主催する健康づくり事業、「環境フェア」などのエコ活動、 「江戸川クリーン作戦」などのボランティア活動、自治会に新規加入することなどで付与されるポイントも540万ICHICO分予算に計上している。
貯まったポイントは市内のみで利用可能
加盟店は大手や中小など200店舗の参加を視野に
市川市では、「ICHICO」を導入することで、市内でお金が消費・循環することを目指す。八幡エリアは鉄道3路線を利用でき、都心へのアクセスのしやすさが魅力で、市民が市外で買い物するケースも多い。また、市の消費活性化キャンペーンなどで汎用スマホ決済サービスを導入したこともあったが、「消費は市内で行われるが、貯めたポイントが市外で使われる」(同担当室)という懸念もあった。「ICHICO」ならば貯まったポイントは市内のみで利用可能だ。
「ICHICO」は、市内でお金がまわる仕組みを導入したいという市長の強い思いを受け、2022年6月から検討してきた。2022年度は補正予算によりシステム構築の準備を開始。2023年度から地域通貨担当室を新設し、実証実験に向けて準備を進めている。購入者の申し込みは3月17日~4月21日まで行い、現在は受付を終了したが5月20日から7月31日まで追加募集を行う。加盟店は実証実験終了まで受け付けているが、5月9日時点で142店がWebで紹介されている。例えば、ユニクロ、トイザらス、ヤマダデンキ、オーケー、ニトリ、ドトール、モスバーガーなどの大手店舗も参加している。店舗には市の職員を中心に1店舗1店舗説明しており、市川市商工会議所や地域の商店会の協力も得ながら開拓を進めている。実証実験が開始後はさらに参加が増えると見込んでおり、最終的に200店舗以上の加盟を目指す。
システムはトラストバンク、持続可能な仕組みへ
将来的に市内全域での導入を目指す
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。