2023年5月17日8:00
住信SBIネット銀行は、2023年5月15日、2023年3月期通期決算記者会見を開催した。戦略事業であるBaaS(Banking as a Service)事業のパートナーが拡大するとともに、口座収益も増加して同事業は12億円の黒字となった。住信SBIネット銀行では、提携パートナーの増加とともにBaaS事業はさらに成長が加速すると考えている。
BaaS事業の口座数は前年比+200%
決済件数のCAGRは3年間で25.7%
住信SBIネット銀行のデジタルバンク事業は、貸出金残高は前年度+22.3%増の6.5兆円、手数料収益は前年比+41%増の117億円と好調だった。住宅ローンの年間実行額は前年比+19.9%の成長となった。住宅ローン市場のシェアは第3四半期までの累計として、前年の4.4%に対し6.5%に伸長している。BaaSに関しては、口座数は前年比+200%、約3倍の81.9万口座を獲得。「粗利ベースでは、前年比162%増で黒字化を達成しました」(住信SBIネット銀行 代表取締役社長 円山 法昭氏)。アセットクオリティにおいても0.02%と大手銀行の10分の1以下の住宅ローン期待損失率となっている。Pro-Forma ROEは16.1%、銀行単体での経費率も50.0%と改善が進んでいる。
決算の概要として、業務粗利は17.5%増、営業経費は伸びを抑え、経常利益は+26.3%増、純利益は16.5%増となり、過去最高益となった。
住信SBIネット銀行では、2025年3月期に400億円の経常利益を目指している。中期事業目標への進捗として、22年3月期の232億円から23年3月期は293億円に増加。24年3月期は340億円を予測しているが、順調に推移しているそうだ。Pro-Forma ROEは今年度16.5%、25年度4月期に17%以上は実現できると見ている。口座数は614万だが、24年3月期に700万以上、25年3月期は900万以上を目指している。それを牽引するのは、BaaS事業で現在の82万口座から、24年3月期は150万以上、25年3月期は350万以上を掲げている。住宅ローン実行額は、24年3月期に1兆7,000億円、25年3月期は2兆円を見据えている。
預金残高は7兆9,754億円、貸出金残高は5兆7,614億円となり、順調に成長している。また、3年間の成長を見ると、経常利益の成長率は15.7%、純利益は16.6%の成長となり、「過去最高を更新しながら成長の角度を上げています」(円山氏)。また、デジタルバンク事業やBaaS事業の決済の合計の決済件数は3年間で25.7%、手数料収益は30.2%伸びている。全体に占める割合は高くはないが、デビットカードの決済件数も高い伸びとなった。
成長する住宅ローン実行額は25年3月期にシェア10%を目指しているが、原動力となっているのが銀行代理業であり、3年間で45.6%の成長となっている。提携先数も148拠点、26先まで増えている。今後はBaaS事業で提携したオープンハウス、野村不動産ソリューションズとの提携によりさらに成長が加速していくと期待する。
口座獲得単価を抑えて口座数が伸長
BaaS事業は30億の利益改善、提携パートナーの特性は?
BaaS事業は、2年前に日本航空(JAL)、CCCMKホールディングスからスタートしたが、22年3月期に5社、23年3月期に10社となり、25年3月期は20社以上を目標としている。
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