東急がホテルのサブスク「TsugiTsugi」でChatGPT活用の旅先提案、法人プランも開始

2023年5月22日8:30

東急が提供する定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi」(ツギツギ)」は、2年間の実証実験を経て、このほど同社における事業化を開始した。参加者の利便性向上に向けて、新たに2泊(30日)までできる「えらべる2」をラインアップに追加。また、ChatGPTを活用した旅先や宿泊施設選びなどの相談ができる同サービス独自のAIコンシェルジュ機能の提供も開始した。さらに、法人への展開に向けて、Peach、日本経済新聞社との実証実験を行ってきたが、その成果を踏まえプランの販売をスタートしている。

東急 ホスピタリティ事業部 事業戦略グループ 主査 川元一峰氏

定額で全国の宿泊施設を期間内自由に宿泊
オフピーク送客でホテルの稼働アップにも貢献

TsugiTsugiは、100以上の宿泊施設から毎日好きな場所をその日の都合や、その時々の気分に合わせて選び、定額制にて宿泊できるサブスクサービスだ。サブスクリプションによる事前決済のため、ホテル予約時には決済情報の入力が不要だ。

東急の「社内起業家育成制度」を活用して同社社員が開発した。2023年5月時点で2万人が利用している。利用者は、TsugiTsugiの会員登録後、プランをクレジットカード決済で購入し、所定の泊数を利用可能だ。

東急ホテルズ&リゾーツ、東急リゾーツ&ステイ、ホテル伊豆急、ルネッサ、JR北海道ホテルズ、静岡鉄道その他独立系ホテルを利用できる。また、ANAの「ANASKYコイン」、Peachのクーポン、観光地域づくり法人(するが・気仙沼)、日本経済新聞社の「日経OFFICE PASS」、DeNA SOMPO Mobility の「Anyca(エニア)」、サマリーの「サマリーポケット」、GYYMのフィットネスサービスといったサービスと連携してきた。

東急では、2021年4月から、個人向けで3回、法人向けで1回の計4回の実証実験を実施した。その結果を踏まえ2023年5月から正式事業として新プラン・法人プランを発表するに至った。

ホテル業界では、新型コロナウィルスによる打撃を受け、低価格化による稼働優先の姿勢から、ADR(客室1室あたりの平均販売単価)引き上げ優先の姿勢へと戦略の転換期だという。一方で事業構造上、曜日偏重や季節変動性などで未稼働客室が必ず生じるため、RevPAR(販売可能な客室1室あたりの収益)向上には苦戦しているそうだ。

TsugiTsugiでは、曜日別の閑散期にあたる日~木の宿泊割合が高く、未稼働客室への送客に貢献できるという。また、当日~7日前の予約が42.4%、当日~14日前は58.8%と予約リードタイムが短く、直前期の送客に強みがあるとした。

サービスの設計として、第3弾利用者の 1人あたり宿泊数平均(年)は19.5泊であり、通常4.74泊(じゃらん宿泊調査)比率よりも高い。このように、旅行のハードルを低減し、日常化・高頻度化を促すサービス設計となる。また、旅先を1泊も決めずに購入した層が全体の37%超を占め、1泊以下は全体の51%超となった。さらに、宿泊体験という強力なタッチポイントを有し、新規顧客とのつながりやリピート利用への効果的なアプローチが可能だという。

実証実験第三弾では、従来の「えらべる14(14泊/30日間)」、「まいにちプラン(30泊/30日間)」に加え、「えらべる5(5泊/30日間)」を投入し、旅行のハードルを下げ、日常的に旅に出るユーザーとして裾野を広げている。新たな取り組みとして、正式事業化後は、初月無料の「えらべる2(2泊/30日間)」を加え、より参加者の敷居を低くしている。

「旅先こんしぇるじゅ」を導入
予定から旅先の予約まですべてAIで完了へ

利用者の利便性向上や悩みを解決するため、旅先や宿泊施設のおすすめを提案するAIコンシェルジュ機能「旅先こんしぇるじゅ」を導入し、予約システムのAPIと連動して、予定から予約まで完了できる仕組みを構築した。

同機能は、GPT-3.5モデルとembed APIなどさまざまなテクノロジーを組み合わせたものだ。東急 ホスピタリティ事業部 事業戦略グループ 主査 川元一峰氏は「今後の活用としては、ユーザー属性や宿泊実績をデータとして活用して分析します。これに加えて、我々が持っている予約システムのAPIと連動させることで、予定から旅先の予約まですべてAIで完了できる仕組みを構築できると考えています」と説明する。

Chat GPTは膨大なテキストデータをもとに学習をしているAIだが、ハルシネーションというもっともらしい嘘が多いことが問題となっている。その発生を最低限に抑える構造となっているのも特徴だとした。GPT-35でユーザーのニーズを理解し、Embed APIで比較しやすい情報に書き換え、ホテルのデータを事前学習することで、そのデータと比較検証し、ニーズに合致するホテルをラインアップする。それを提案モデルのGPT-3.5に連携することで、よりニーズに合ったホテルを提案している。

キービジュアルは浮世絵イラストレーターのNAGA氏による描き下ろしで、4種類のAIキャラクターは詳しい分野や性格がそれぞれ異なり、人間らしい個性を備えているとした。利用者は、ストリートカルチャーと浮世絵が融合した世界感を味わいながら相談が可能だ。なお、無料会員登録を行えば、利用者は誰でも利用可能だ。

連携サービスとして、これまでプラン特典としていたピーチポイント付与を廃止し、新たに全会員(無料会員を含む)向け特別特典として、繰り返し使える「1,000円引きクーポンコード」の適用を開始している。また、ピーチ便が就航する中部国際空港セントレア 近接ホテルも新たに参画した。

なお、TsugiTsugiの事業化と合わせ、あてま高原リゾート ベルナティオ、フォーポイントバイシェラトン名古屋 中部国際空港、東急バケーションズ 熱海、NASPA ニューオータニといったホテルが新たに参画している。

法人向けは泊数を一括購入し、従業員に共有
日経「OFFICE PASS」や「Peachポイント」と提携

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