2023年6月16日7:00
富士通は、自律分散型社会を支える「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」のデータトラスト基盤「Data e-TRUST」に、複数のブロックチェーンシステムを容易に連携できる同社独自の「ConnectionChain(コネクションチェーン)」技術を試験的に統合することで、複数の経済圏を連携できる試作環境を、同社グローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」に参画するパートナーを対象に、2023年6月30日から提供を開始する。
同社は、金融証券のクロスボーダー取引の効率性や安全性の向上に向けて、アジア開発銀行やブロックチェーンベンダーのConsenSys Software Inc.(ConsenSys)、R3、ソラミツと共同で、2022年1月から1年間、「ConnectionChain」技術の実証実験を行っている。同プロジェクトは、欧米のグローバルセンター経由による時差や市場取引時間の相違などの理由から、決済に最低でも2日はかかっているASEANや日中韓地域におけるクロスボーダーの証券取引の効率性や安全性の向上を図る実証実験となった。同実証実験では、取引に関わる金融機関全体で守られている現行の取引ルールを模した試験的なブロックチェーン環境上に、法定通貨2つの銀行残高を管理する台帳と、証券の所有権を管理する台帳を実際に構築し、「ConnectionChain」によって相互連携させる実験を行い、クロスボーダー取引の実現を確認したという。
同社は、インターオペラビリティの確保を実現可能なブロックチェーン連携技術「ConnectionChain」を開発したほか、DLT基盤の台帳操作を抽象化してデジタル資産を管理する分散型台帳を統合的に管理するオープンソースソフトウェア(OSS)の開発プロジェクト「Hyperledger Cacti」において中核メンバーとして活動しているそうだ。
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