2023年8月16日19:25
一般社団法人キャッシュレス推進協議会は、国内外のキャッシュレスの動向について取りまとめた「キャッシュレス・ロードマップ」を毎年作成しているが、このほど2023年版である「キャッシュレス・ロードマップ 2023」を取りまとめ、公表した。
同協議会では、2018年に設立以降、毎年度、「キャッシュレス・ロードマップ」を策定・公表している。同ロードマップでは、経済産業省が2018年4月に公表した「キャッシュレス・ビジョン」の意志を引き継ぐ形で、国内外のキャッシュレスの動向(国内における普及状況、政府による推進施策、消費者インサイト、キャッシュレス決済比率の国際比較など)、国内における中長期的なキャッシュレスの方向性(ロードマップ)、および同ロードマップの進捗状況をとりまとめたものとなっている。
国内のキャッシュレス決済比率は、2022年に36.0%に到達した。日本政府は、2025年までに40%到達を目指しており、この目標に向けて着実な進展を見せている。他方で、国際的な比較において、国際的なキャッシュレスの進展もあり、国内はいまだ低位にある状況にあり、キャッシュレス決済比率40%を到達後も継続したキャッシュレス推進が必要と考えているそうだ。
また、今回の「キャシュレス・ロードマップ2023」では、さまざまな公表データを活用し、キャッシュレスと現金の利用における二酸化炭素排出量を試算している。同協議会では、社会の共通課題であるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成においてもキャッシュレスが貢献できることを明確にするとともに、環境問題の原因として取り上げられる二酸化炭素の排出量におけるキャッシュレスの関与について、会員・関係者とともに議論を重ねた内容をとりまとめた。
十分なデータのない中での試算となり、必ずしも正確な値とは言えないとしながらも、同試算においては、1,000円の支払いにおいて、現金利用に関する二酸化炭素排出量が「1.06g」となるのに対し、キャッシュレス利用においては「0.34g」との結果を得ることができたという。同試算により、日々の支払いにおいてキャシュレス利用の方が環境負荷は低いことが確認できた。
また、「キャッシュレス・ロードマップ2023」では、SDGsが示す17のゴールにいかに貢献できるのかについても検討を行った。一見するとキャッシュレスとは直接関係のないゴールであっても、間接的にキャッシュレスが貢献できる分野が多数あることがわかったという。
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ペイメントナビ編集部
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