2024年4月17日8:30
クレディセゾンは、PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)とインテリジェントウェイブ(IWI)が展開している「PREDICO(プレディコ) for Financial Intelligence」のアルゴリズムを搭載した「クレジットカード不正使用検知システム」を導入している。不正利用を狙った攻撃が巧妙化し、被害額や件数が急増する中で、AIを活用し、常に最新の不正手口を学習し続けることで、高い精度で不正利用の抑止に効果を上げている。
フィッシングによる詐取情報を利用した不正増加
精度高い情報詐取に対応した異次元の対策を検討
「PREDICO for Financial Intelligence」は、PKSHAが展開する機械学習を用いた予測エンジン「PREDICO」を、金融業界向けに特化させたアルゴリズム・モジュールだ。PKSHAが保有するアルゴリズムを、IWIと連携するクレディセゾンの不正使用検知システムに合わせてカスタマイズしている。このアルゴリズムは、常に最新の不正手口を学習し続けることで、その変化にスピーディに対応し、高い精度で不正利用を抑止することができるのが特徴だ。PKSHA が開発した「トレンド追従型アルゴリズム」は、日々変化する不正手口に自動的に適応することができるので、従来の技術では検知できなかった不正利用を誤検知の割合を高めることなく検知する。
クレディセゾン セキュリティサービス部統括課長兼プロセシング企画部課長 長曽我部允史氏は「2022年末ごろから国内市場で不正アタックが急増しており、当社の不正攻撃による被害額も、国内の他のイシュア同様に増えています。これまでは、クレジットマスターやEC加盟店から漏洩したカード情報による不正利用が多く、即座に抑え込むことができていました。しかし、フィッシングによる詐取情報を使ったアタックは精度が高く、対策も困難を極めています。これまでとは次元が違う対策に取り組まなければならないと決意しています。ただ、昨年2月から実施してきた対策は効果的で、急増以前のレベルにまで抑えることができています」と話す。
真正・不正の判断が難しいグレーゾーンの取引が増加
取引手続を止めるべきか止めないべきか、難しい判断
AIを活用した不正検知システムの効果について、長曽我部氏は「不正を検知する精度は維持できていると感じています」と手ごたえを示す一方で、「これまでと比べて、真正利用者によるものか不正攻撃かの判断を下しにくいグレーゾーンの取引のボリュームが増える傾向があります」と指摘する。
これまで、クレディセゾンのグレーゾーンに対する取り扱いについて、従来は、人の目で見て、パーソナル情報をはじめとしたあらゆる情報をもとに判定していた。しかし、グレーゾーンのボリュームが増加するにしたがって、AIを活用した自動化を含めた新たな対策の必要性が議論され始めているという。
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