2024年8月6日16:06
トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の技術提供を受けて実施するバスDX化に向けた取り組みが、新潟市の「令和6年度新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金」の補助事業に採用されたと発表した。
TMNは、地域公共交通の持続と利便性向上に貢献することを目的に、顔認証技術や位置情報技術を用いたバスの利用実態を正確に把握する取り組みを進めている。昨年度は、令和5年度の新潟市概念実証支援補助金を活用し、新潟市内を運行する新潟交通の一部路線バスで実証実験を実施したほか、渋川市内を運行する関越交通の自動運転バスでも実証実験を重ね、バス利用実態可視化に向けたシステムの精度や課題を確認してきた。
昨年度の実証実験の結果から、顔認識精度の向上と位置情報取得に関して課題があることを認識しており、このほどNTT Comと協議して、同社からAI顔認識ソフトウェア「SAFR」や、データ伝送プラットフォーム「intdash」などの技術提供を受けることで、バス利用実態可視化システム実用化に向けた更なる実証実験の実施を予定している。
交通領域の決済システムにおいては従来型のリッチクライアント型が主流となっており、運賃計算や決済処理もすべて決済端末内で処理していることから、決済端末が高額であることが交通事業者での課題となっている。TMNでは、決済端末で行われるシステム処理をクラウド化させた「シンクライアント型モビリティマルチ決済システム」を将来的に開発することを目指しており、これにより決済端末1台で複数の決済手段や決済ブランドに対応できるほか、交通事業者においてキャッシュレス決済の導入や維持への障壁が低くなり、利便性の向上につながると考えているそうだ。