2024年12月2日8:00
千葉工業大学 学長の伊藤穣一氏、「Paidy」創業者のラッセル・カマー氏が共同創業者となり立ち上げたAltX Researchでは、日本発・主権型のイーサリアム完全互換レイヤー1のブロックチェーン「Japan Smart Chain」のホワイトペーパーを公表。2025年第4四半期の正式リリースに向けたロードマップを発表した。国内の規制に準拠した設計で日本のweb3の普及を促進しつつ、世界のスタンダードになることを目指す。
web3で海外に後れをとる日本
ローカルチェーンの開発が急務
web3への関心や期待が高まる中、日本政府はデジタル資産の利用に関する規制環境の整備を進めている。しかし一方で日本企業は、ブロックチェーンの採用に依然躊躇しているのが現状で、海外に大きく後れをとっている。さらには採用後においても、アプリケーション間のeKYCプロセスの重複など、多くの非効率な作業と経済的負担を強いられている。
この状況を打破するためには、外国の政府や規制当局などの影響を受けない主権型ブロックチェーンインフラの早急な開発が必要との考えから、AltX Researchは、日本発・主権型のイーサリアム完全互換レイヤー1のブロックチェーン「Japan Smart Chain」の構想にたどり着いた。
AltX Researchは、日本におけるweb3活用に関する調査を目的に、千葉工業大学 学長の伊藤穣一氏、「Paidy」創業者のラッセル・カマー氏が共同創業者となって、2021年に立ち上げた会社だ。調査を行った結果、「日本にはweb3が浸透するためのインフラが欠如していることがわかった。そこでこの2年間、メンバーが一丸となって、新たな仕組みづくりに取り組んできた」(カマー氏)という。
「Japan Smart Chain」は、日本の主権型レイヤー1ブロックチェーンであり、日本の主要な産業リーダーによって、日本国内でバリデートされ、データも日本国内に保管される。日本の法規制を遵守し、維持することを念頭に置いて設計されており、可能な限り外国の法規制や外部干渉を排除している。主権の重要性についてカマー氏は、「電力、通信、交通のネットワークが国内でコントロールされる必要があるように、デジタルの世界にも同じことが言える。web3やAIにおいても主権が確保されなければならない」と説明する。
一方で「Japan Smart Chain」は、イーサリアムとの完全互換性を持つ。「インターネットに例えればわかりやすいかもしれない。われわれは家庭や会社ではLANを使い、それがグローバルなネットワークにつながっている。グローバルなネットワークは維持されていくが、ローカルなブロックチェーンも必要。これがあることで、今までできなかったことが、迅速かつ低コストで実現できるようになります」(伊藤氏)。
開始時から「L2 as a service」を提供へ
日本発の新たなグローバルスタンダードを目指す
「Japan Smart Chain」では、事業者やユーザーにかかるコンプライアンスの負担を最小限に抑えるために、独自に開発した「MIZUHIKI(ミズヒキ)プロトコル」を活用する。このプロトコルはユーザー自身が制御できる認証方法であり、日本の規制に最適化されたeKYCツールやサービスなどと組み合わされている。「MIZUHIKIプロトコル」は「Japan Smart Chain」のプロジェクトおよびエンドユーザーに無償で提供される予定だ。
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