2024年12月26日8:30
PayPayは、2024年12月より神社や寺院などへ行かれた際のお賽銭などに、キャッシュレス決済サービス「PayPay」が利用可能できるようになったと発表した。12月23日には、浄土宗大本山増上寺(東京都港区)での賽銭の体験会を開催した。
賽銭でPayPayが利用可能に
待ち時間、現金なく賽銭
2024年12月から賽銭でPayPayが利用できるようになった。現時点で公表されているのは、浄土宗大本山増上寺に加え、東別院(愛知県名古屋市)、稲毛神社(神奈川県川崎市)、熊野若王子神社(京都府京都市)、総本山 四天王寺(大阪府大阪市)、大本山 本能寺(京都府京都市)、天恩山 五百羅漢寺(東京都目黒区)がすでに導入済み、または12月末までに導入予定だ。
PayPayを賽銭で導入することで、待ち時間なく、現金なく賽銭ができる。神社・寺院にとっても現金を回収することなく、効率的に運用ができるという。
PayPay導入の経緯について、浄土宗大本山増上寺 参拝部部長 武智公英氏によると、「新しい間口を開く試みはチャレンジでもあります。やってみないと始まりません」と話す。
近年、キャッシュレスが普及し、小銭を持たない人が増えてきた。海外から訪れる人も現金ではなく、カードやコード決済での支払いが当たり前になっている。国内で普及するPayPayによる賽銭が可能になることで、日本人の支払いの選択肢を増やすことができる。武智氏は「PayPayでの賽銭は非課税が認められるということで導入に踏み切りました」と述べる。これまでは現金が主流だったが、「お気持ちを込めてお賽銭をする形としてはPayPayもあるかなと思います」と武智氏は話す。PayPayの決済音に関しては、店舗などでも耳にするため、日常的になれば自然に感じてもらえるようになるとした。
オンラインでの賽銭も将来期待
小銭の管理の負担を減らす目的も
今回の取り組みは区の景観条例をクリアしたうえで実現したが、「具体化するかわかりませんが山門で令和の修理が始まりますが、その壁にQRコードをつけることも考えられます」とした。
また、オンラインでの賽銭には対応していないが、QRコードが読み取れれば、離れたところからも気持ちを送ることが可能だ。実際に参拝する人に加え、「そこに行けない人、離れた場所に住む人々も賽銭の徳を積まれる可能性はある」(武智氏)とした。
今回のPayPayによる賽銭は小銭の管理の負担を減らす目的もある。現状、賽銭に関しては地元の信用組合が無料で入金に対応してもらっているが、メガバンクでは手数料を徴収しており、仮に信用組合でも手数料がかかれば大きな負担となることは間違いない。「信金もいつまでやってくれるか読めません」(担当者)。例えば、お守りの授受でも若い人は現金を持っておらず、小銭がない場合、賽銭をあきらめる人もいる。また、訪日外国人も増えており、キャッシュレス決済を好む人も多い。国もキャッシュレス化を推進しており、PayPayでキャッシュレスニーズがどの程度あるかを確認していきたいという。
海外のコード決済の導入も期待
セキュリティやモニタリングも厳重に
PayPayによる賽銭は、本人確認(eKYC)を完了している人が対象となり、「PayPayマネー」のみ利用可能だ。金額に対して「PayPayポイント」の付与およびPayPayステップは対象外となる。利用者はPayPayアプリを開き、ホーム画面の〔スキャン〕を選択。賽銭する場所の近くに設置されているQRコードを読み取り、賽銭金額を入力して、〔お気持ちを送る〕を選択し、賽銭を送る。増上寺の本殿は中央の賽銭箱、両サイドの柱にQRコードが付いている。
賽銭できる金額は、送金の上限と同様に、24時間で30万円、30日間で100万円だ。賽銭時のマークは5種類あり、ランダムにデザインが変わる。
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