2011年6月23日16:21
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、2011年6月23日、最新の「景気動向についての消費者意識調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Confidence)」の結果を発表した。これによると、アジア/太平洋地域の消費者は、世界経済の回復のスピードが遅れることを懸念しており、半年前に比べ楽観的な見方が弱まっていることが明らかになった。
調査対象となったアジア/太平洋地域14市場のうち11市場が総合指数で堅調な楽観的傾向を示した。楽観的傾向を示した市場には、中国(78.3)、シンガポール(77.9)、ベトナム(77.1)、インド(75.2)、香港(69.9)、台湾(67.6)、マレーシア(64.9)、オーストラリア(63.1)など、新興市場と成熟市場の双方が含まれている。
一方で、アジア/太平洋地域14市場のうち10市場では、半年前の前回調査時と比べて総合指数は低下しており、特にタイ(46.1)、ニュージーランド(42.2)、日本(15.9)の3市場では調査項目すべてにわたって指数の低下がみられ、悲観的な見方が拡大した。その結果、アジア/太平洋地域全体の総合指数は、68.0から61.5へと低下している。
2011年で19年目となる「景気動向についての消費者意識調査」は、MasterCardが毎年実施・発表している調査である。同調査では、「景気」「雇用」「株式市場」「固定収入」「生活の質」の5項目についての消費者信頼度を調査するもので、対象の国と地域の消費者が、今後半年間の自国の経済状態をどう見ているかを、指数によって総合的に評価している。指数は信頼度において最も悲観的な(悪いと思う)場合は0、最も楽観的な(良いと思う)場合は100、中立的な(良くも悪くもないと思う)場合が50であり、指数が高いほど信頼度が高いことを示している。
今回の最新の調査は2011年3月15日から4月27日にかけて、アジア/太平洋地域の14市場において消費者計1万374人を対象に実施した。調査データは対面、電話、インターネットを使ったインタビューによって収集している。
アジア/太平洋地域全体では、「景気」に対する指数が70.6から59.1へ、「雇用」が67.5から59.9へそれぞれ低下した。また、「生活の質」(64.7から57.0)と「株式市場」(65.8から58.1)についても低下したが、「固定収入」は71.6から73.1へとわずかに改善している。
なかでも日本とニュージーランドは、いずれも大きな被害があった今年の地震からの回復途上にあり、調査項目のすべてにおいて指数が低下。ニュージーランドの総合指数は半年前の前回調査時における53.3から42.2へと低下し、「景気」についても53.1から35.1に低下した。日本の総合指数は2002年以来の最低値を記録し、「景気」については半年前の調査時の20.6から12.3へと低下。「雇用」も21.8から13.3へと下がっている。
フィリピンでは総合指数が80.1から53.6へと急低下した。個別の調査項目では、「雇用」(80.0から45.3)、「生活の質」(80.5から46.7)、「景気」(83.6から54.0)において最も大きく低下している。