CCCMKHDがSnowflakeを活用し、データ基盤を革新 三井住友カードと統合したVポイントのデータ分析力が向上

2025年1月29日7:00

TSUTAYAや蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループで、マーケティング・ソリューション事業を展開しているCCCMKホールディングス(CCCMKHD)は、クラウドデータプラットフォーム「Snowflake」を活用したVポイントデータ基盤の革新について記者向けの説明会を開いた。2024年4月にCCCのTポイントと、三井住友カードのVポイントを統合して新たに誕生した新生「Vポイント」はアクティブユニークユーザー数は8,600万人を数える。今回のデータ基盤の革新で、激増するデータ量の処理能力向上と、コスト削減を実現し、ポイントデータ活用の分析力を強化する狙いだ。(ライター 小島清利)

左からCCCMKホールディングスIT戦略本部本部長 松井太郎氏とSnowflake合同会社執行役員セールスエンジニアリング統括本部長 井口和弘氏

参考:新生「Vポイント」、クロスクラウドを活用したセキュアなデータ連携の裏側は?(SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2024)

セキュリティ強化で顧客価値創出とプライバシー保護を両立

説明会では、まず、Snowflake合同会社執行役員セールスエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏は、CCCグループにとって有益なSnowflakeの特徴として、「お客様の様々なワークロードを最適なコストで実現する『ニーズに応じた柔軟なデータとアーキテクチャー』と、企業内・企業間で安心・安全にデータやアプリを共有できる『セキュアなコラボレーション』、様々なサードパーティアプリとの接続や容易なアプリケーションの開発により、分析、データ活用を加速する『アプリケーション開発、連携』の3つがあります」と話した。

この後、CCCMKHD IT戦略本部本部長の松井太郎氏が登壇し、CCCグループやCCCMKHDにおけるSnowflake導入の狙いや、Snowflakeを活用したデータ分析力の向上などについて説明した。

松井氏は冒頭で、「CCCグループでは、従来よりお客様の信頼を第一に、プライバシー保護を徹底した上で、データ価値を最大限活用し、より良いサービス体験の創出に取り組んでいます。Snowflakeの導入により、弊社のプライバシー保護の取り組みは一層強化され、データ活用も加速しました」と述べ、Snowflakeによるデータ基盤の革新によって、セキュリティ強化とデータ分析力の向上を実現し、顧客価値創出とプライバシー保護を両立させる考えを示した。

データ量の激増でパフォーマンスが大きく低下し、基盤革新を決断

Snowflakeを導入する以前のCCCMKHDにおけるデータ基盤の課題は、激増するポイントデータやデータ活用の高度化に対する基盤の限界があったという。分散したデータベースとコスト増大により、パフォーマンス低下が深刻化し、負荷分散やクラウド移行だけでは解決が不可能な状況にあった。また、加盟企業の増加や分析業務の高度化により、ワークロードは年々増加し、月初や繁忙期にはクエリ(データベース管理システムに対する処理要求)遅延やクエリ待機が発生するなど業務にも支障が出る状態だった。

さらに、非エンジニア、非アナリストを含めた全社員にBIアカウントを提供していたが、負荷を緩和する対策のため、データベースよりファイル抽出し、BIに連携する中間作業が発生していた。松井氏は「データ活用がさらに高度化していく中で、多くの社員が活用できるための『データ活用の民主化』を促進する必要があり、事業を成長させるための基盤へ刷新することが必要だった」とデータ基盤革新の理由を話した。

Snowflake採用による業務効果については、データクエリ速度は従来比50パーセント以上向上し、月初などのクエリ繁忙期もスケーラブルに拡張し、クエリ遅延がゼロになった。また、リソース消費に応じたコスト管理が可能で、インフラコストは60%に削減したほか、オラクルなど分散していたデータベースをSnowflakeに統合したことで、データサイロを解消し、データ更新リードタイムが向上した。

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