マイナンバーカードの基盤活用、富山県朝日町が地域通貨サービス展開 過疎化進む町でデジタルインフラ実装し、住民サービスの質向上へ

2025年3月24日8:00

マイナンバーカードとデジタルサービスによる生活インフラ実装モデル事業に取り組んでいる富山県朝日町は、2024年11月から、「LoCoPiデジタル商品券」を地域通貨サービスの「LoCoPiあさひまちコイン」に衣替えし、本格的な普及活動に力を入れる。朝日町内の多様な施設や事業者が利用できるほか、マイナンバーカード決済機能や現金チャージ機能、運用管理システム、朝日町独自のポイントプログラムの管理システム・デジタル抽選システムを備えており、地域内の経済循環を促進するのが狙いだ。

「LoCoPi あさひまち」は、使えば使うほど町がよくなる、マイナンバーカードを活用した新しい公共サービスパス

マイナカードのICチップの空き領域活用
多層サービスを実装

富山県朝日町みんなで未来!課の寺崎壮氏は「朝日町は人口1万人規模の町で高齢化率は高く、人口減少に伴う過疎化が進んでいます。住民のニーズが多様化し、町の税収が減る中で、住民サービスを低下させずに、むしろサービスの質を向上させようと、デジタル化の強化に取り組んでいます」と話す。

朝日町のマイナンバーカードとデジタルサービスによる生活インフラ実装モデル事業は、「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を引き継いだ「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を活用し、高齢化、過疎化が進む課題先進地域で、将来的な社会解決モデルを立ち上げる狙い。博報堂との協業により進められており、将来は同様の課題を抱える他の市町村への横展開も視野に入れている。

マイナンバー基盤活用は、ICチップの空き領域を活用し、マイナンバーカードに多層サービスを実装する。アプリは、サービス利用登録、情報発信、多層サービス連携など、サービスの利便性を向上させている。2024年1月から、マイナンバーカードに、公共施設やサービスでのポイント獲得と情報発信サービスを付加した公共サービスパス「LoCoPiあさひまち」の機能を搭載。町内40以上の施設やサービスに対応端末を配備している。

マイナカードをタッチ
よく使う住民サービスを見極められる

マイナンバーカードを町内の色々な施設や介護予防教室、公共交通機関に設置されている専用の読み取り機にタッチすることで、その施設(サービス)が住民に役に立っていることが分かり、施設(サービス)の充実につながる仕組み。例えば、普段からよく朝日町図書館を利用している住民が図書館に行った時にはいつも、設置されている専用の読取機にタッチすることで、図書館が頻繁に利用されていることが分かり、新しい本を増やすなど「図書館をより充実させる」動きにつながる。

朝日町の人口は、2024年12月時点で9,945人、マイナカード保有率83.2%。LoCoPiは24年12月末時点で2,473人が登録している。総タッチ数は41.7万回。読み取りのタッチ端末28カ所、決済端末30カ所。住民が楽しんでタッチできる仕掛けがあり、「LoCoPi=マイナンバーカード」が生活行動になじみ始めており、日常生活の中で普通に使われている状態になっているという。

例えば、町内の色々な施設に設置されている専用の読取機にマイナンバーカードをタッチしたり、「まちバス」や「ノッカル」などのデジタル公共交通サービスを利用した時に車内に設置されている読取機にタッチすることで、ポイントが貯まる。貯まったポイントは、町の特産品が当たる抽選会で利用できる。また、LoCoPiあさひまちのLINEミニアプリ上に、「歩数」機能があり、歩いた歩数に従ってポイントが貯まるサービスも人気だという。

子どもや高齢者の見守り機能を提供

お金の流れを町内に循環
QRコード決済も展開へ

これまでは、ポイント獲得や子どもや高齢者の見守り機能、マイナンバーカードによる町内施設での決済などの充実を図ってきた。今後は、マイナンバーカードを活用した地域通貨サービス、防災サービス、域外向けサービスが本格的に動き出す。民間を巻き込んだ経済活性化への期待を背負うのが、地域通貨サービス「LoCoPiあさひまちコイン」だ。マイナンバーカードをタッチするだけで、町内の商業施設や飲食店で決済することができるサービスで、利用するには、LoCoPi利用登録と現金チャージが必要になる。

「LoCoPi あさひまちコイン」を朝日町内のより多くのお店や場所で使える地域通貨に育てる

チャージ施設(2025年2月14日時点)は、朝日町役場会計課窓口、らくち〜の受付、あさひ総合病院。チャージは1,000円単位で行え、チャージ額の上限は5万円。100円(税込)決済ごとにLoCoPiポイントが10ポイント貯まり、貯まったポイントは、朝日町の特産物が当たる抽選会で利用できる。「LoCoPiあさひまちコイン」の利用可能店舗は、55店舗(2025年2月1日時点)。

寺崎氏は「国の統計によると、朝日町の地域経済循環率は54.9%しかなく、地域内の45%のお金が域外に流れてしまっています。コロナ禍を通して、この数字がさらに拡大している可能性もあります。この数字は、他の市町村と比べても非常に低い数字です。町の中で買い物する人が圧倒的に少ないからで、デジタル地域通貨は、地域内での経済の循環を促進するツールとして期待しています」と話す。

このほか、LoCoPiを活用した防災分野の取り組みとしては、朝日町内の指定避難所施設での避難者情報の管理などに活用する方針だ。避難者受付支援システム、データ可視化ダッシュボードなどを搭載する。また、人々の交流を促進するためのアプリを開発。朝日町外の観光客向けCRM サービスを展開する事で朝日町ファンを増やし、人流を呼び込む仕掛けも進めている。

「決済・金融・流通サービスの強化書2025」より

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