2025年4月1日8:30
広島銀行では2020年6月より、銀行口座直結のスマホ決済サービス「こいPay」の取り扱いを開始。2024年4月には、旧「トータルポイントサービス」の会員基盤を引き継いだ「ひろぎんポイントサービス」を開始し、5大共通ポイントとのポイント交換を可能にしている。さらに2024年11月から、楽天カードとの連携による「ひろぎん楽天カード」の発行を開始。入会特典として楽天ポイント7,000ポイントを付与することで新規入会を促進。また、デビットカードの年会費を無料化し、デビット決済の利用者増を狙う。これら全方位的なキャッシュレス決済支援策の展開により、お客様の利便性が向上し、新規口座開設および口座利用の活性化につながることを期待している。

銀行口座直結のスマホ決済「こいPay」
導入しやすく地域イベントでも活躍
広島銀行では2020年6月、独自のスマホ決済「こいPay」の取り扱いを開始した。同行の口座保有者であれば誰でも申し込むことができ、利用の際に決済代金は銀行口座から直接引き落とされる仕組み。決済と同時に取引内容をeメールで通知。毎月の利用額の2%が口座にキャッシュバックされる。
広島銀行 営業企画部 決済サービス室 担当課長 中村芳輝氏は「銀行口座と直結しているのでチャージの手間なく便利にお使いいただけます。銀行ならではの優位性を発揮できるサービスだと考えています」と話す。銀行Pay、ゆうちょPay、Smart Codeに対応しており、使える店舗は全国的に数多い。
「こいPay」は加盟店側にとっても、専用端末などの設置が不要なため、導入のハードルが低い。たとえば数日間限定の地域イベントなどにも、MPM方式でコストを最小限に抑えて対応することが可能なので、同行では積極的に「こいPay」活用を提案し、協力を行っているという。
繰り返し使っている利用者が多いことから、同行では、まず一度使ってもらうためのきっかけづくりが重要だと考えている。同行では広島東洋カープやサンフレッチェ広島といった地元のスポーツチームの試合当日の「こいPay」利用でキャッシュバックするキャンペーンを行っており、これをきっかけに「こいPay」を使い始める利用者も多い。また、「Smart Codeが使える店舗で『こいPay』が使えるという認識がまだまだ浸透していない。それを知ってもらうためのプロモーションの展開も検討していきたいと考えています」と中村氏は意気込む。
「ひろぎん楽天カード」の発行を開始
楽天ポイントを起点に口座を活性化
同行と楽天カードは、2024年11月より「ひろぎん楽天カード」の申込受付・発行を開始した。リアルに強みを持つ同行と、デジタルに強みを持つ楽天がアライアンスを組むことで、相互送客を図るのが狙い。同行に口座を保有していると、通常の入会特典5,000ポイントに2,000ポイントをプラスした、楽天ポイント7,000ポイントが進呈されることで、カード入会および口座開設を促進している。
入会者数は非公表だが、滑り出しは好調だ。中村氏は「楽天ポイントを起点に『ひろぎん楽天カード』をメインカードとして使っていただき、それによって当行をメイン口座として使っていただけるようにしていきたいです」と語る。
また同行では、2024年4月に、従来の「トータルポイントサービス」の会員基盤を引き継ぐかたちで「ひろぎんポイントサービス」をスタートさせているが、交換可能なポイントとしてPayPayポイント、楽天ポイントが加わり、5大共通ポイントが出揃った。
「ひろぎんポイントサービス」を利用するには「ひろぎんアプリ」への口座登録およびひろぎんポイントへアカウント登録が必要。ひろぎんアプリ登録者数は60万人超で、そのうち「ひろぎんポイントサービス」のアクティブユーザーは19万人超。楽天ポイントは、ポイント交換先としても人気が高い。
デビットカードの年会費を無料化
若年層の利用促進を図る
同行では今年2月、デビットカードの年会費無料化を発表した。これまで申し込みのハードルとなっていた年会費をなくすことで、特に若年層のデビットカード利用を促していきたいとしている。よりスムーズに申し込みができるように、今後、口座開設時のフローの見直しも検討する。また、口座開設が活発化する2月から5月にかけて、キャンペーンを展開する。
デビット、クレジット、スマホ決済と、同行ではキャッシュレス化のニーズに応えるさまざまなサービスをラインナップし、利用者の選択肢を広げている。包括的にキャッシュレス化に対応する体制をとることで、顧客利便性向上を図り、口座の活性化につなげていきたい考えだ。
「決済・金融・流通サービスの強化書2025」より