2025年5月21日8:00
Mastercard Economics Institute(MasterCard Economics Institute:MEI)は、2025年5月15日、旅行経済における消費動向に関する最新レポート「Travel trends 2025」に関する記者説明会を開催した。
日本が世界の旅行需要を牽引
アジア太平洋地域の8都市がランクイン
同イベントでは、アジア太平洋地域を含む世界中の国々を対象に実施した調査について、アジア太平洋地域チーフエコノミスト、デビッド・マン氏が解説した。
同氏は2024年もTravel Trendを解説したが、日本はこの期間に最大のシェアを獲得し、第1位となっている。また、2024年には、東京が前年の第2位から1位へと順位を上げ、夏のピークシーズンに向けて世界の旅行需要を牽引する都市としての地位を確立している。
今回も2025年6月から9月の夏期旅行において、東京と大阪が世界の注目旅行先ランキングでそれぞれ1位と2位を獲得。いずれも過去と比較して観光需要が最も大きく伸びた都市となったそうだ。
トップ10には、ほかにもマレーシア、オーストラリア、韓国、インドネシアの4つの市場が入った。今回のレポートでも、世界で注目を集めている夏の旅行先トップ15のうち、アジア太平洋地域の8都市がランクインしている。
デビット氏は「為替、ウェルネス、スポーツ、グルメ、体験のバランスをとりながら旅行者は目的地を選んでいます。セキュリティも安心・安全として重要となっています。経済的にも地政学的も慎重な姿勢が続く中、アジア太平洋地域は明るい話題があります」と話す。その中で、日本がアジア近隣諸国をけん引しており、「最も面白いストーリーを形成している」(デビット氏)とした。
インバウンドとの関係として、2023年、2024年は日本のGDP成長の2分の1以上となっており、それほど重要なインパクトが生まれています」(デビット氏)。2024年のインバウンドは2019年より16%増えたが、実際の日本における支出が61%高まり、1人1人の支出が増えた。また、純粋な消費に加え、食、自然、ウェルネスといった“体験”を重視する傾向が強まっている。
例えば、2024年には、航空運賃やホテル代が値上がりしたにもかかわらず、シンガポールドル(SGD)と日本円(JPY)の為替レートが40%上昇したことにより、日本を訪れるシンガポール人旅行者数が過去最高を記録している。2021年に比べ、現在は円高傾向だが、デビット氏はそれが今後の旅行者の行動にどう表れるのかを注視している。
スポーツと決済の相関は?ロスの大谷効果を解説
旅行の活況は不正行為も影響
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。