2025年9月19日8:00
和田 文明
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プロフィール キャッシュレス、電子マネー関連のジャーナリスト/ライター、主に欧米、アジアのセキュリティを含むキャッシュレス情報、カスタマーロイヤルティプログラム情報を取材 |
欧米の電子財布(E-Wallets、デジタルウォレット/モバイルウォレット)の第4回目は、「電子財布とエンベデッドファイナンス」について紹介してみたい。エンベデッドファイナンスと電子財布(E-Wallets、デジタルウォレット/モバイルウォレット)は、現代の金融サービスエコシステムにおいて密接に関連し、相互にその進化を加速させている重要な概念で、両者は顧客体験(CX)をシームレスにし、金融サービスの利用方法を根本的に変革する可能性を秘めている。
エンベデッドファイナンス(Embedded Finance)とは、金融以外のサービス提供企業(非金融企業)が、既存サービスに金融サービスを組み込んで提供することを意味し、顧客が金融サービスを必要とするタイミングに、そのサービスを利用している非金融プラットフォーム上で直接金融サービスが提供されることを目指すものである。電子財布(E-Wallets、デジタルウォレット/モバイルウォレット)は、こうしたエンベデッドファイナンスの重要な構成要素の1つとして機能する。
<Index> (1)デバイスベンダー系電子財布 (2)ペイメントサービスプロバイダー系電子財布 (3)銀行系電子財布 (4)電子財布とエンベディドファイナンス (5)オープンバンキングと電子財布
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“埋め込み型金融”、“組み込み型金融”とも訳されるエンベデッドファイナンス(Embedded Finance)とは、非金融事業者が提供するサービスやプラットフォーム内に、金融サービスがシームレスに組み込まれている状態を指し、顧客が金融機関のアプリやウェブサイトに別途アクセスすることなく、普段利用しているサービスの流れの中で、シームレスに自然に金融機能を利用できるのが特徴である。 エンベデッドファイナンス(Embedded Finance)主な構成要素は、次の3者である。 ・ブランド(Brand) 顧客接点を持ち、自社のサービス内に金融機能を組み込む非金融企業(例: ECサイト、配車アプリ、SaaS企業) ・ライセンスホルダー(License Holder) 金融サービス提供に必要な免許を持つ金融機関(銀行、証券会社、保険会社など) ・イネーブラー(Enabler) ライセンスホルダーとブランドの間に入り、API(Application Programming Interface)などを通じて金融機能を連携させるFinTech企業やテクノロジープロバイダー(BaaS、Banking as a Serviceプロバイダーなど) |
エンベデッドファイナンスと電子財布との関係性
電子財布(E-Wallets、デジタルウォレット/モバイルウォレット)は、“組み込み型金融”のエンベデッドファイナンスの実現においてその中心的な役割を果たすとともに、エンベデッドファイナンスの進展によってその機能性と価値をさらに高めることができる。電子財布(E-Wallets、デジタルウォレット/モバイルウォレット)は、次のような非金融サービスのプラットフォーム内に金融機能を埋め込むための主要なインターフェースとなりえる。
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