2011年8月3日7:00
富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は、2011年7月29日、富士通トラステッド・クラウド・スクエアおいて、「ハウス電子マネー/ギフトカードセミナー~売上UPへ繋がるハウス電子マネーとギフトカードの事例と効果」を開催した。
富士通FIPでは凸版印刷と共同で「ギフトカードASPサービス」を展開し、国内屈指の実績を誇る。同サービスは、残高をサーバで管理するカード型の商品券であり、従来の紙製商品券に比べ、デザインに自由度があり、管理負荷も軽くなるなどのメリットがある。
セミナーではまず、「ハウス電子マネーとギフトカードの最新動向」と題し、富士通FIP 民需サービス販売推進部 課長 片野坂友則氏が講演した。
片野坂氏によると、ここ最近、入金するギフトカード、スーパーなどがサーバで管理するプリペイドカードを導入する動きが目立つという。また、イオンの「うれしーど」など、各社が発行するギフトカードを陳列して販売するギフトカードモールのサービスを開始する企業も増えてきた。矢野経済研究所の調査資料によると国内の電子プリペイド市場規模は、2011年に2.8兆円、2014年に4.5兆円。そのうちサーバ管理型の電子マネーは2011年度で5,500億円、2014年には1.1兆円まで拡大すると予測している。
片野坂氏は、「2011年以降の国内のサーバ管理型プリペイド市場は発行会社、発行枚数ともにさらに拡大する」と話し、その理由としてギフトカードモールでのギフトカード販売の拡大、電子書籍やデジタルコンテンツなどインターネットにおけるプリペイドカードの発行企業の増加、クレジットカード会社が発行する汎用ギフトカードの登場、ポイント交換の受け皿となる電子マネーカードサービスの普及などを挙げた。
続いてイズミヤカード 企画部 主任 井熊一樹氏が、「イズミヤグループハウス電子マネー チャージでおトク!使ってミヨカ!」と題した講演を行った。井熊氏は、2011年4月~開始したイズミヤグループで利用できるハウス電子マネー「miyoca」のプロジェクトリーダーを務めた。同社ではクレジットカード事業の収益源をカバーする目的などからmiyocaを導入。同氏は導入に向けての課題や導入への流れ、同社加盟店に対する提案、コスト削減策、miyocaの仕様、導入後のプロモーション施策や効果などを解説した。
井熊氏の後を受け登壇したTOHOシネマズ 営業本部 番組編成部 番組編成室 ODS担当 小林秀司氏は、同社が2010年4月からTOHOシネマズ劇場で販売を開始した「TOHOシネマズギフトカード」を活用した取り組みについて説明した。同氏はギフトカードの導入の狙いや映画配給会社とタイアップしたデザインカード開発の経緯、導入後の成果、ギフトカードモールなど今後の検討事項について講演した。
最後に富士通FIPのBCPの取り組みについて、同社 リスクマネジメント統括部 BCP推進部 担当課長 小田浩史氏が説明した。同社では、過去の大地震などの経験を踏まえ、3 月11日に発生した東日本大震災時もセンター側の危機管理への対応が行われていたという。ギフトカード自体、金銭をサーバで管理するため、安定した運用が必要となるが、サーバは冗長化しており、止まらないシステムを提供できる点が強みとなっている。また、万が一の停電時も72時間稼働できる自家発電機を完備している。同社では、今回の東日本大震災における課題を踏まえ、より継続して事業継続力を強化していきたいとしている。
今回のセミナーでは、ハウス電子マネーとギフトカードを展開する企業の担当者が導入の成果について講演を行ったこともあり、来場者の関心は高く、会場は満席となった。来場者は講師の話に熱心に耳を傾け、ペンを走らせていた。