2025年9月30日8:21
2025年9月29日に東京証券取引所プライム市場上場したソニーフィナンシャルグループは、9月25日、都内で「上場直前メディアセッションデイ」を開催。グループ5社の社長が一堂に会し、各社の、またグループ全体の経営戦略について説明を行った。

“感動”をキーワードに
金融グループのさらなる成長を目指す
9月29日に東京証券取引所プライム市場に上場するソニーフィナンシャルグループ(以下、ソニーFG)は、これを第二の創業と位置付ける。ソニーFGは、ソニーグループに属する金融サービスグループの持ち株会社であり、傘下にソニー生命保険(以下、ソニー生命)、ソニー損害保険(以下、ソニー損保)、ソニー銀行、介護事業を手掛けるソニー・ライフケアの4社を擁する。25日に行われた「上場直前メディアセッションデイ」にはこれら5社の社長が列席、今後展開する「スクラム構想」について口々に語った。
ソニーFGは経営戦略のキーワードとして健康寿命、資産寿命、感動寿命の3つの寿命を掲げているが、中でも強調しているのが「感動」。経済的な豊かさのみならず、幸福度や生活の質を測る新しい指標、GDWを追求していきたいとしている。
金融グループであるソニーFGが考える「感動」とは何か。ソニーFG 代表執行役社長CEO 遠藤 俊英氏は「ソニーグループにおいてソニーFGが担っているのは、人を支える事業。ソニー生命のライフプランナーとお客様の関係性に代表されるように、私たちが向き合っているのは“人”だ。感動は人と人とのやり取りの中で期待を超えたときに生まれる感情であり、私たちは事業を通じてその体験をより多様に、より長くしていきたい」と話す。
ソニーFGの顧客基盤は、設立当初の2004年度末の237万件から2024年度末には957万件へと拡大。第二の創業に当たりソニーFGは、「各社それぞれが深化・探索するだけではなく、グループ一体となっての挑戦が必要。お客様に最も近いライフプランナーを中核に位置付けながら、お客様への提供価値を拡張していくことが、私たちの目指す成長の姿」だとし、顧客基盤のさらなる拡大を目指すとしている。
一人ひとりの人生に寄り添うソニー生命
オーダーメイドの安心・納得を提供
1979年に設立、ライフプランナーという新たな職業を世の中に生み出し、今でこそ業界のスタンダードとなったコンサルティングにもとづくオーダーメイドの保障提供のビジネスモデルを創り上げたソニー生命は、創業以来一貫して保険料、契約高を成長させ続けている。
ライフプランナーは、真摯にお客様の想いを訊き、お客様自身も意識していないことまで拾い上げて、夢や目標を見えるかたちにし、その実現に向けた計画づくりをサポートする。「このトータルライフプランニングこそがわれわれのコアコンピタンスであり、成長の原動力」とソニー生命 代表取締役社長 高橋 薫氏は明言する。
ライフプランナーに多く寄せられるようになった介護に関する悩みに応えるために設立されたソニー・ライフケアでは、“Life Focus”を標語に掲げ、ソニーグループらしさを追求した介護事業を追求。業界の常識を覆し、たとえば夕食後に満月鑑賞会やミニコンサートなどのナイトアクティビティを実施。その分、スタッフにかかる負担は、DXの積極導入などによって軽減を図っている、
「すべてのホームに導入している介護記録システム、居室見守りセンサーのデータを活用し、貴重なスタッフのリソースを、人だからこそできるサービスに集中させています。お客様のこれまでの人生で培われてきた価値観を、日々の生活を支えるスタッフが共有し、楽しい、張り合いがあると感じる瞬間をたくさん体験していただくことが、ソニーFGが事業の礎として掲げる感動寿命につながると考えています」(ソニー・ライフケア 代表取締役社長 伊藤 浩気氏)
20年以上保険料トップを走るソニー損保
日本社会の交通事故リスク軽減にも貢献
楽しさと不安は表裏一体。たとえば旅行、自動車や住宅の購入に潜むリスクに備え、不安を軽減する役割を担うのが損害保険だ。ソニー損保は1999年、ダイレクトモデルによる自動車保険の引き受けを開始。以降、ダイレクト保険は、利便性と割安な保険料体系がお客様に好評で、着実にシェアを伸長。さらに近年は資源、エネルギー価格の高騰や、円安による相次ぐ値上げなどによって家計支出の見直し基調が高まる中、ダイレクト保険のシェアは年々拡大。その中でもソニー損保は2002年から自動車保険の元受正味保険料で1位を維持し続けている。
この理由について、ソニー損保 代表取締役社長 坪田 博行氏は、「経済合理性のある商品の提供、ダイレクトならではのフェアな情報公開が、お客様に評価された。加えて、多様な価値観やライフスタイルを持つお客様それぞれに合った広告コミュニケーションで、わかりやすく補償内容や当社ならではの特徴を伝えることにこだわってきたことが功を奏したのでは」と分析する。
経済合理性という観点で同社が開発した商品のひとつに、運転特性連動型自動車保険がある。この商品の提供には、スマートフォンアプリ「GOOD DRIVE」を使用する。AIなどの先進技術を活用し、お客様の運転特性を計測。事故リスク度合いを運転スコアとして表示。この運転スコアに応じた保険料が設定される仕組みだ。GOOD DRIVEアプリは契約の有無にかかわらず誰でも無料で利用が可能。運転アドバイス表示などの機能も備える。同社は多くのドライバーにこのアプリ利用を広めることで、社会全体の交通事故リスクの軽減に貢献したいとしている。
ソニー損保のもうひとつの強みは、外部の調査機関などからも高い評価を受けている事故対応品質。万一のときにこそお客様に寄り添って真摯に対応することが、損保会社としての最大の価値である。ソニー損保では創業以来24時間365日、お客様とのタッチポイントを持ち続けてきたことで、専門性と機動性が向上。自ら一歩進んだお客様対応をするカルチャーが社員一人ひとりに、そして組織としても根付いている。事故対応の際には、親身さに加え、納得感も重要。同社では事故の状況、走行の軌跡、速度などを客観的に共有するため、お客様のドライブレコーダー映像をAI解析するサービスを導入しているという。
基幹システムをAWSに移行
感性価値の向上に挑むソニー銀行
ネット銀行であるソニー銀行ではキャッシュカード機能、デビットカード機能の2つを併せ持ったSony Bank WALLETというサービスを展開。この利用により、ステージに応じて最大2%のキャッシュバックが受けられる。また、11通貨をカバーしており、保有している外貨預金から直接支払いができる。
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