2011年8月4日12:20
プラチナカードの新規募集を開始し、付加価値の高いサービスを追加
ゴールドカードと同等のサービスを付加した20代専用カードを発行
カード会社各社は、法改正の影響により、キャッシングによる収益が減少する中、より質の高い上級の会員を獲得できる、プレミアムカードの発行に力を入れている。三井住友カードでも2010年から、最上位カード「三井住友VISAプラチナカード」を刷新するとともに、20代専用のゴールドカード「三井住友VISAプライムゴールドカード」の発行を開始した。昨年は、タレントを起用したテレビCMなどプロモーションを積極的に行い、質の高い会員の獲得に成功している。
価格はそのままにホテルやグルメのサービスをアドオン
積極的なPRで会員数は目標通りに推移
三井住友カードでは、2010年10月から、最上位カード「三井住友VISAプラチナカード」(年会費5万2,500円)を刷新し、新サービスを搭載するとともに、カードデザインをリニューアルした。同社ではこれまでゴールドカード会員を対象としたインビテーション(招待)制により、プラチナカードへの入会促進を行っていたが、このたび新規入会希望者からの申し込みも可能とした。
「新規のお客様からもプラチナカードのサービスを利用したいというお声をいただいていました。リニューアルに合わせて、お客様からニーズの高かった宿泊やグルメ関連のサービスも新たにアドオンしました」(三井住友カード 営業開発事業部 シニアスタッフ 川北友幸氏)
主な付帯サービスとして、「コンシェルジュが365日24時間サポートする『コンシェルジュサービス』」 、「ポイントの有効期限4年間」、「年に一度のプレゼント『メンバーズセレクション』」 、「海外最高1億円、国内最高5,000万円の旅行傷害保険」などの既存サービスに加え、新サービスとして「国内有名ホテル・旅館をアップグレードして利用できる『プラチナホテルズ』」、「一流レストランのグルメサービス『プラチナグルメクーポン』」を追加している。従来の会員は、年会費はそのままにより充実したサービスを受けることが可能だ。
同社では、「その輝きが、クオリティの証明。」をコンセプトに、テレビCMや広告などのPRを積極的に展開。プラチナカードゆえにカード入会の審査も厳しくなるが、「当初見込んでいた通り、ご入会いただくお客様がリニューアル前と比べ多くなりました」と川北氏は笑顔を見せる。
プラチナ会員の稼働率や利用単価についての具体的な数字は非公表としているが、「弊社にとって非常に大切なお客様であることは確かです」と三井住友カード 営業開発事業部 シニアスタッフ 前田将宏氏は説明する。
新サービスの一つで、東京・大阪などの約70軒の一流レストランにおいて2名以上で利用した場合、会員1名分が無料になる「プラチナグルメクーポン」については、徐々に利用する人も増えているという。
年会費はゴールドカードの半額ながら
同等の機能・サービスを用意
また、同社では2010年10月から、20代専用の新カード「三井住友VISAプライムゴールドカード」、「三井住友MasterCardプライムゴールドカード」の発行も開始した。新カードは、「その輝きが、本物の証し。」をコンセプトに、20代の若年層に、ゴールドカードのサービスや機能を提供している。
最大の特徴は、従来のゴールドカードと同等の機能・サービスでありながら、年会費は、ゴールドカードの半額の5,250円(初年度無料、税込)である点だ。
他社でも20代限定のカードを発行しているが、そのサービスは通常のゴールドカードと比較するとワンランク落ちるものが多い。その点、プライムゴールドカードは、空港ラウンジサービス、専用デスク、カード付帯保険、カードの利用に応じたポイント付与など、会員誌の無料提供以外は同社が発行するゴールドカードと同等の機能・サービスを付帯している。
加えて、インターネット上でカードの利用明細を確認する「カードご利用代金WEB明細書サービス」や、毎月の支払額を自由に増額・減額できる「マイ・ペイすリボ」の利用で、年会費が最大1,575円(初年度無料、税込)まで優遇されるという。
同カードの会員は、30歳以降の最初に到来するカード更新時から、ゴールドカードにランクアップ。ゴールドカードへの更新時には、継続特典として、ワールドプレゼントのポイントを500ポイントと、東京・大阪のレストラン約30店で2名以上利用した場合に会員1名分が無料になる「プレミアムグルメクーポン」をプレゼントする。
「プライムゴールドカードは、20代の間は年会費優遇というところで魅力を感じていただけます。弊社が従来から発行している20代限定カードに比べてワンランク上のサービスを提供できており、カード自体のステータスを気にされるお客様にもご好評いただいています」(前田氏)
ゴールド・プラチナは高級レストランやホテルの利用が多い
今後はサービスやステータスをさらに高める
三井住友カード会員のショッピングの利用傾向としては、ゴールドカード、プラチナカードと上がるにつれて高級レストランやホテルなどの利用が多くなっている。ただ、プライムゴールドカードは20代がターゲットのため、利用シーンについては、その他の一般カードとそれほど大きな差はない。一方で、会員の稼働率や月間の利用金額については、その他の一般カードよりも高い数値を示している。
稼働促進策については、「プラチナやゴールド会員の方はもともと稼働率が高いため、カードの利用を増進するよりは、サービスやステータスを高めることにより、利用促進につながればと考えています」と川北氏は話す。同社ではすでに質の高いサービスを提供できているという自負はあるものの、「さらにご満足いただけるよう、今後もプラスアルファのサービスを検討していきたい」としている。
※本記事は2011年8月4日に掲載した内容となります。