2025年10月8日21:00
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティング(LM)と中央大学 国際情報学部の飯尾淳教授(iDSゼミ)は、2025年度社会情報学会大会(2025年9月27日・28日)で、2件の共同研究「20代における飲酒頻度が及ぼすWell-beingへの影響」および「リモートワークとウェルビーイングの関係性」を発表した。
LMは2025年7月、ウェルビーイング発想のマーケティングサービス「TOTONOID(ととのい度)」の提供を開始した。その基礎研究として、中央大学のiDSゼミと共同研究を行ってきた。
今回発表した2つの研究は、LMが運営する「Pontaリサーチ」で聴取したアンケートのデータを活用し、飲酒や仕事といった生活習慣がウェルビーイングに与える影響について分析したものだ。2024年9月に収集したアンケートデータから10種類のウェルビーイングスコアを算出し、併せて聴取した飲酒習慣や職場環境に関する回答とクロスして分析を行った。
同共同研究を通じて、価値観や生活様式が日々変化する中、同研究で生活者の行動や意識を可視化し、ウェルビーイングな消費社会の実現に向けたマーケティング戦略を精緻化する示唆を得ることができ、今回の社会情報学会での発表につながったそうだ。
具体的に、週1回以上、自宅以外での飲酒をする20代は、自宅以外で飲酒しない層に比べて充実感・自己成長・職場環境・協調性・外向性でスコアが有意に高い結果となった。さらに、低所得層ではこれらに加えて自己満足のスコアが高くなった。特に外向性・協調性における差分の有意性は、飲酒が交流機会や対人関係の活性化と関連する可能性を示唆している。
また、分析対象の20代1,022名について、所得による幸福感の違いを考慮するため、年収400万円を境に低所得層と中所得層に分類し、飲酒頻度別のウェルビーイングスコアに差があるかを分散分析(ANOVA)で検証した。その結果、「週1回以上、自宅以外で飲酒する」群は「自宅以外で飲酒しない」群と比較して、充実感・自己成長・職場環境・協調性・外向性・自己満足といった因子で有意に高いスコアを示した。特に「外向性」や「協調性」において顕著な差が確認され、自宅以外の場所での飲酒が社会的交流の促進や対人関係の構築に関与し、心理的・社会的満足度の向上に寄与している可能性が示唆された。
また、「リモートワークとウェルビーイングの関係性」に関しては、在宅勤務者や一部在宅勤務者は、毎日オフィスに出勤する者に比べて、充実感・自己満足のスコアが高い結果となった。在宅勤務の課題として、光熱費・電気代の負担やコミュニケーション・人間関係のストレスが挙げられた。また、仕事のモチベーション向上要因は、顧客からの感謝や評価といった、対人関係に基づく要素であることが示された。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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