2025年12月17日8:30
汎用性のあるポイントに交換できると
ユーザーの利便性は大きく向上
弊社の調査によりますと、消費者が貯めているポイントの数は、1個から3個までで約半数、5個までで4分の3を占めています。確かに、いろいろなポイントを分散して貯めるよりも、ある程度まとめたほうが、貯めやすいし使いやすいと思います。つまり、お客様に利用してもらえるポイントになるためには、上位5位に入ることが理想です。

ただし、消費者が貯めているポイントのベスト5は共通ポイントが占めています。ここに独自ポイントが食い込んでいくことは、かなり難しいと思われます。
では、どうすればいいのか。弊社が出した結論は、独自ポイントを、人気のある共通ポイントと交換できるようにすることです。これによって、お客様との継続的な関係を構築できる、マーケティングへの活用が可能といった独自ポイントのメリットを残しながら、知名度の高さ、ユーザーの使用頻度の高さといった共通ポイントのメリットを享受することができるのです。
ここで、ポイント交換のメリットをお客様目線から見てみましょう。メリットの1つ目は、選択肢が増えるので、ニーズに合わせたポイント交換が可能だということです。ほかのポイントとの交換を実現することによって、その時々に応じて利用方法を変えることができます。たとえばコンビニでQR決済するときはPayPayポイントに交換する、近所のスーパーで買い物をするときはそのスーパーのポイントに交換するといったことができます。
2つ目は、自分が貯めている別のポイントに集約可能という点です。人気のPayPayポイントやANAのマイルなどは、いろいろなポイントと交換提携をしています。クレジットカード会社、電力・ガス会社などのポイントから交換することもできます。個人的な話で恐縮ですが、私は実家が鳥取県なので、帰省する際にはいつもANAの航空便を利用します。なるべくマイルを使いたいのですが、飛行機に乗る機会はほかにあまりないので、マイルがなかなか貯まりません。そこで、クレジットカード利用やポイントサイトで貯めたポイントをかき集めてマイルに替えて、帰省するための航空券購入に充てています。
ポイント交換を実現するには
システム開発費の負担が重荷に…
次に企業側のメリットについてお話しします。1つ目は、お客様の利便性向上による新規顧客獲得への貢献です。仮にA社、B社はそれぞれ独自のポイントサービスを展開していて、ポイント付与率も同じだとします。けれどA社のポイントは他社ポイントとの交換が可能で、B社のポイントは不可だとしたら、A社のほうがお客様から選ばれやすくなります。もちろんお客様にとっての生活動線など、ほかの比較要素も存在するのでこれが絶対とはいえませんが、人気のあるポイントとの交換可能という要素が決め手の1つとなる可能性は高いといえます。
交換元企業は、交換実績に基づいて交換先企業にポイント代金を支払うことになります。そのコストを負担してもなお、ポイント交換を可能にする価値があるのかどうかということについては、「ただ外に出ていくだけ」とマイナスにとらえる向きもあろうかと思います。けれどもそもそも、お客様に選ばれなければポイントの意味はありません。そのコストは、選ばれやすくなるための投資だとお考えいただければよいと思います。
2つ目はポイントプログラムの充実によるクロスセルの実現です。銀行の例でご説明いたしますと、お客様が投信購入やローン契約などをすると、ポイントが貯まります。そのポイントをPayPayポイントや楽天ポイントに交換し、お得に活用。この体験をもとに、もっとポイントを貯めて活用したいという意欲が高まり、その銀行口座をメイン口座として利用するようになり、取引が拡大していく――。ここまで想定通りにはいかないとしても、ポイントを貯めたくなる好循環が生まれることが、ポイント交換のメリットです。
つまり、自社のポイントをつくって、ほかのポイントと交換できるようにすれば、課題が解決するというわけですが、これは実際にはそう簡単なことではありません。交換元企業を独自ポイント、交換先企業を共通ポイントとした場合、ポイント交換を可能にするためには3つの条件を整える必要があります。1点目として両社の間でポイント交換の契約を締結し、2点目として交換データをやり取りするためのシステム開発を実施、最終的に3点目として交換実績に基づいて精算を行うということになります。
システム開発には時間もかかりますし、かなりの費用がかかります。相手が1社ならまだしも、交換先の数が増えれば増えるほど、契約やシステム開発のタスクもそれに応じて増えていきますので、交換元企業の負担はかなり大きくなります。
ポイント・コンセントが
コスト削減・交換先拡充を支援
弊社が提供しているポイント・コンセントは、交換元企業に課される3つのタスクのうち、システム開発と運用を効率化するサービスです。
ポイント・コンセントの特長を2つ、ご紹介します。1つ目は、開発や運用にかかるコストや工数を削減できるという点です。ポイント・コンセントを使わずに直接、交換先企業とシステム開発を行う場合、交換先ごとにシステムの仕様が異なりますので、システム開発や交換データの連携を個別に行う必要があります。交換先を1社増やすために数千万円のコストがかかったというお話を聞いたこともあります。
ポイント・コンセントを利用していただくと、交換元企業と交換先企業の間に弊社が入ることによって、交換元企業はポイント・コンセントとのシステム連携を行うだけで複数の交換先企業とのポイント交換が可能になります。個別のシステム開発が不要になり、コストや工数を大幅に削減することができます。
2つ目は、交換先を自由にカスタマイズできるので、他社との差別化を図ることができるという点です。共通ポイントはもちろん、家電量販店やコーヒーショップチェーン、特定の地域に根付いたポイントなど多様なポイントとの交換実績があります。基本的に、特定のポイントと交換できるようにしたいというご要望にお応えできる体制を整えております。
ポイント・コンセントの導入事例として、大丸松坂屋カードを運用するJFRカードを紹介させていただきます。同社では自社ポイントの「QIRA(キラ)ポイント」を多様なポイントと交換できるようにしたことによって、お客様の利便性を向上。お客様から「ポイントが日常的に便利に使えるようになってうれしい」という声が多く聞かれていると同時に、カード利用の活性化につながっています。今後もお客様の要望に応えて交換先をさらに増やしていく予定だということです。
ポイントサービスに関する最新の情報についてはぜひ弊社にお問い合わせください。ご清聴ありがとうございました。
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