2011年9月19日9:00
PayPalのモバイル決済額は急上昇している。PayPalは2011年の取扱高を20億ドルと予測している。これは2010年比3倍の伸びだ。
PayPal中期戦略の柱は、オンライン決済からフィジカル決済への拡大。その重要なツールが非接触NFC機能つきスマートフォンである。
これがあればモバイルコマースとともにリアル店舗でショッピングもできる。日本も米国でも小売総額に占めるEコマースの比率は6%前後。フィジカル決済が可能になれば市場は膨大だ。
そんななか、PayPalはフィグカード(Fig Card)というベンチャーを買収した。フィグカードはショップ向けにスマートフォン決済サービスを提供している。
2010年に設立したばかりで輝かしい実績があるわけではない。そんな会社をなぜPayPalは買収したか。
PayPal利用者は世界で1億人。オンライン加盟店は900万件。だが、フィジカル決済を推進するためにはリアル加盟店の拡大が急務。そのためには非接触NFC決済を利用した加盟店POS開発が重要と考えた。
フィグカードはアプリケーションダウンロードでPOS端末を非接触決済端末にできるサービスを提供している。スマートフォン決済競争はますます加速する。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。