2012年10月29日13:53
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、MasterCardモバイル決済の最新の対応状況度調査 (MasterCard Mobile Payments Readiness Index:MPRI)において、日本がモバイル決済に好適な環境が整っていることがわかったと発表した。 MPRIは、大阪で開催される「Sibos(サイボス)」内のMasterCardブースにおいて展示する。
MPRIによると、日本は、個人対個人、モバイル・コマース、および店舗でのモバイルによる非接触決済の3種類のモバイル決済導入への対応状況を34カ国対象に分析した指標において、第6位となった。また、日本は調査対象となった項目の大半において高スコア結果を獲得したが、モバイル決済の普及促進には、消費者による利用意欲が不可欠であることがわかったという。
日本の消費者は、3種類のすべてのモバイル決済を受け入れる準備ができていないものの、モバイル・コマースに対しては一定の関心が示された。また、日本の消費者の20%は、店頭でのモバイル決済について認知はあるものの、同機能を実際に利用したいと考える人はわずか8%に過ぎなかった。モバイル決済を普及させるためには、利用認知と積極的な利用意欲のギャップを克服することが大きな課題になっている。
日本は、特に金融サービス、モバイル・コマース・クラスター、およびインフラの分野において高スコアとなり、また日本の金融サービスは、世界で最も充実していることも明らかになったという。特に消費者への対応に関しては、日本の金融機関は91%と極めて高い評価となった。 MPRIによると、シンガポール、カナダ、米国、ケニア、韓国が、モバイル決済の導入に向けて、対応が進んでいる結果となった。また、導入の早期段階にあるものの、英国のような大規模かつ統合された市場やシンガポールのようにコンパクトで、ITが普及した市場にかかわらず、携帯電話が、支払手段として、一定のシェアを占めるような屈曲点に向けて、世界中で発展していることが明らかになった。
さらに、モバイル決済の導入を早めるには、モバイル決済のエコシステムにおいて、主要関係者の連携が必要であることもわかった。市場での普及が分岐点に達する環境は、金融機関、通信会社、政府機関、ITプロバイダー、およびその他関係企業間の協力やコラボレーションによって、実現可能であるという。