2012年11月12日23:38
大日本印刷(DNP)は、国際カードブランドのVisaが推進する非接触IC決済サービス「Visa payWave」に対応したICカードを国内で初めて製品化し、発売すると発表した。DNPは、今回開発したVisa payWave対応カードにおいて、今後3年間で2億円の売上を目指す。
同カードは、ICクレジットの国際的な標準規格のEMV(Europay, MasterCard, VISA)仕様に準拠した接触IC決済サービスと、ISO/IEC14443 TypeA方式に準拠した非接触IC決済サービスの両方に対応可能なデュアルインターフェースカードとなる。
現在、国内の流通・小売業界の企業などが発行する電子マネーとして、FeliCa ICチップを搭載した非接触ICカードが広く利用されているが、今後は、NFCの普及にともないFeliCaだけでなく、海外で普及している非接触ICカードの通信規格であるTypeA/B方式のICカードでも決済できる環境が、日本でも整備されると見込まれている。欧米ではすでに、多くのコンビニエンスストアやファーストフード店、スーパーマーケットなどで、TypeA方式の決済サービスであるVisa payWaveの利用が進んでいるという。
今回DNPは、Visa payWaveに対応するとともに、利用シーンに応じて使い分けるICカード(クレジット、デビット、プリペイド)の需要増にも対応した同カードを、業界に先駆けて製品化した。
同カードは、Visa payWave加盟店において、PIN入力やサインの記入を行うことなく、リーダーライターにかざすだけで支払いが可能だ。また、カード発行会社は、Visa payWaveを使ってクレジット、デビット、プリペイドから1つの支払い方法を選択できる。さらに、同カードをスピーディーな決済が求められるファーストフードやドラックストアなどとの提携カードとして採用することで、国内外で利便性の高いサービスを提供できるという。
DNPは、2006年から国際ブランドの非接触IC決済サービスに対応したICカードを販売しており、今回のVisa payWave対応カードの製品化により、国際ブランド2社の非接触IC決済サービスに対応した製品ラインナップを展開していく。
Visa payWaveは、NFCスマートフォンでの利用も見込まれており、DNPはNFCスマートフォンへのアプリケーションパーソナライズサービス「スマートビューロ」や、スマートフォンの決済やポイントなどのアプリを一元管理する「モバイルWalletサービス」と合わせたサービスも提供していく。