2013年2月15日8:00
ヨドバシカメラのカード決済の現状について(下)
さまざまな電子マネーを積極的に導入
銀聯カードの売上は国内トップクラス
非接触技術の有効利用としては、決済方法の多様化ということで、さまざまな電子マネーを導入しています。現在は、「楽天Edy」、「PiTaPa」、「Suica」、「PASMO」、「iD」、「QUICPay」などが利用できます。今後も利便性向上のため、新たな決済スキームを導入する予定です。現状、電子マネーの利用は、まだ決して多くはありませんが、小額決済を中心に利用されています。
2005年12月に三井住友カードと提携してスタートした中国人向け決済サービス「銀聯」の利用額は、国内最大級となっています。毎年対前年比はアップしています。店舗には、POPでの訴求、レジでの銀聯マークの表示、エントランスやエスカレータ周りでのアピールに加え、中国語の話せるスタッフを配置しています。また、中国本土への訴求として、銀聯のPRパンフレットに広告を掲載したり、「春節」や「国慶節」に合わせてメディアに掲載していただくなどの施策を行っています。東日本大震災の影響で一時的に売上は落ち込みましたが、2012年4月期には過去最高の月間売上を記録しました。
インターネットショッピングサイト「ヨドバシ・ドット・コム」は、1997年10月にオープンしました。当初は手作業で行っていましたが、1999年8月に基幹システムと連動し、現在はほぼ人の手を介さず自動的に出荷が行える体制になっています。2009年5月には「ユーザレビューサイト」も開設しました。
現在では、100万以上のアイテムの注文が可能です。2012年8月には、配送エリアを大幅に拡充し、注文当日にお届け可能なエリアが、日本全国人口の52.19%となりました。翌日にお届け可能なエリアも含むと98.54%となります。
ヨドバシ・ドット・コムでは、店頭とインターネットで共通してポイントサービスが利用でき、また、ネットで在庫を確認して店舗へ来店できるようにしています。さらに、ネットで注文して店舗での受け取りや、発売前にネットで予約して店舗で受け取ることも可能です。
また、2012年8月にiPhone、10月にAndroid向けに「バーコード読み取り検索機能」アプリケーションを提供し、店頭で商品のバーコードから詳細情報を検索できる機能を提供しています。
また、秋葉原店、梅田店、横浜店では、大型LEDビジョンネットワークを利用して、お客様へ様々な情報を配信しています。
不正利用対策には販売員の目配りが重要に
クレジットカードのセキュリティ対策についても力を入れています。すでにPOSのICクレジットカード対応(EMV対応)を行いましたが、もう1つ大切なのは販売員の目配りです。これはシステムでは対応できません。ノウハウは経験値の可視化であり、店頭からいろいろな事例が本部に上がってきますので、それをデータベース化して、問題を分析し、システムに反映しています。
今後の予定としては、2015年に現在の梅田店に隣接した大型商業ビルを建設します。2016年には、名古屋の駅前に新規店舗をオープンする予定です。
以上のような取組によって、弊社はお客様の期待値を上回る「商品知識」「接客」「品揃え」「在庫」「価格」を提供することで、お客様にネットでもリアルでも何度もご来店いただけるよう心がけています。
※本記事は2012年11月15日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム」の株式会社ヨドバシカメラ 常務取締役 高力流一氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。