2013年2月14日8:00
ヨドバシカメラのカード決済の現状について(上)
家電量販店のヨドバシカメラでは、クレジットカード、J-Debit、Suicaや楽天Edyといった電子マネー、中国銀聯など、さまざまな決済手段が利用可能です。また、POSのICクレジットカード対応や販売員によるモニタリングの実施など、顧客の利便性向上と安全性確保に力を入れています。
顧客の要望を受け、13社のクレジットカードを受け入れ
毎年、利用は順調に伸びる
ヨドバシカメラは、店舗立地にこだわったレールサイド戦略を敷いており、東京23区に5店舗、東京都外に2店舗、神奈川に5店舗、千葉、新潟、栃木、福島、宮城、北海道、大阪、福岡に各1店舗ずつを展開しています。また、インターネットサイト「ヨドバシ・ドット・コム」での販売も強化しています。
店舗では品揃えを大事にしており、特にカメラの品揃えには自信を持っています。また、梅田店(3万2000坪)、秋葉原店(2万坪)をはじめ、広い売り場が特徴となっています。
弊社では、「ゴールドポイントカード」を発行しています。これは、日本で最初に発行されたポイントカードで、2002年にプラスチックカード化し、お客様の情報を一括管理しています。また、社員教育にも力を入れており、サービス産業生産性協議会実施の調査において、2年連続で業界ナンバーワンとなっています。
弊社では、お客様の要望を受け、導入するカード会社を増やしており、現在13社が発行しているカードを受け入れています。
加えて、ヨドバシカメラのゴールドポイントカードにクレジット機能をプラスした「ゴールドポイントカードプラス(GPC+)」を発行しています。こういった成果もあり、クレジットカードの売上比率は年々向上しています。
2007年からPOSのEMV対応を行う
利用者の多くがPIN入力を実施
クレジットカードの利用拡大の中、弊社では2007年2月にPOSのICクレジットカード対応(EMV対応)を行いました。弊社の扱っている商品は非常に換金性が高く、販売員が確認すれば、本当に正規にお使いになるか、換金目的のカードかはわかりますが、カードが処理されてしまうとお断りができないケースもあります。その対策として、POSのICクレジットカード対応を行いました。対応後は、圧倒的にICカードを利用した決済が増え、磁気カードによる取引が減少しています。
ICクレジットカードのPIN入力については、カード会社の啓発などもあり、今ではクレジットカード決済を行った人の多くが行っており、セキュリティの向上に役立っています。また、不正利用に対する社員の気持ちが明らかに変わっています。さらに、サイン伝票の保管コストや伝票抽出の削減の効果もありました。
ヨドバシカメラでは、自社発行カードとして、接触ICチップ搭載のGPC+を発行しています。過去には、2005年9月にソニーファイナンスインターナショナルと提携して、「ヨドバシゴールドポイントカード/ICeLIO」を発行しました。これは、ICチップとEdyのハイブリッド型カードでポイントカード機能も搭載しています。
その後、2010年3月にゴールドポイントマーケティングを設立、同年11月にGPC+の発行を開始しています。一般のクレジットカード利用はヨドバシでのポイント還元が8%ですが、GPC+は現金利用と同じ10%の付与を行っています。また、ヨドバシカメラ以外でのクレジットカード利用に対しては1%のポイント還元を行っています。さらに、60回の分割払いが可能で、ヨドバシカメラでご購入の承認には90日間の補償も付帯しています。そのほか、GPC+会員向けの特別販売として、旬な商品をリーズナブルに提供しています。同時に店舗でもネットでも使いやすいカードとして、ヨドバシカメラのWebサイトでもポイントの利用が可能です。すでに利用率の高いカードとして定着しており、稼働率の高いカードとなっています。
※本記事は2012年11月15日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム」の株式会社ヨドバシカメラ 常務取締役 高力流一氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。