2013年2月26日8:00
クレディセゾンが“買い物のレシートがポイントに変わる”サービスを開始
クレディセゾンは、同社のネット会員向けポイントサイト「永久不滅.com」において新しいリサーチサービスとして、対象商品の名称が記載されている買い物のレシートをアンケートとともに提出することにより、ポイントが付与されるサービス「レシートで貯める」を開始した。
サービス開始時点では100品目の商品を掲載
メーカーは売上要因仮説をタイムリーに検証可能に
クレディセゾンが2013年2月1日から開始した「レシートで貯める」は、リサーチサービスを行うソフトブレーン・フィールドとの共同事業である。消費者が普段買い物している食品・飲料・日用品・医薬品・化粧品などのカテゴリーの購買理由データをメーカー各社に提供することで、メーカーが持っている売上の仮説要因を、購買理由の点からタイムリーに検証できるようになる。サービス開始時点で100品目の商品を掲載している。
永久不滅.comのサイトからサービスに登録した同社のネット会員には、実際に商品を購入した理由など、数項目の簡単なアンケートを実施し、商品を買った時のレシートの写真を提出すると「アクションポイント」を600ポイント付与している。アクションポイントは100ポイントで「永久不滅ポイント」1ポイントに交換可能だ。
クレディセゾンでは、ソフトブレーン・フィールドと1年前からサービスの検討を進めてきた。トライアルとして、ソフトブレーン・フィールドの4万6,000人の女性モニターを対象にパイロットテストを実施。シャンプー、リンス、歯磨き粉などを買った人に、その理由についてアンケートを実施した。その結果、パイロットテストで購入報告上位にあがったブランドは、ほぼ市場のPOSデータと同じ順位となった。クレディセゾン ネット事業部 マーケティング部長 磯部泰之氏は、「パイロットテストで事業としての可能性を確信しました。ほとんどのメーカーはPOSデータを市場動向の参考データにしていますが、定性的なことは分かりません。一方で本サービスはある商品の購買理由を一定のサンプル数を確保しつつメーカーに提供することが可能になります」と説明する。
サービス開始1年間で20万人の利用を目指す
メーカーへの販売価格は週次で定期的に45万円程度から
また、クレディセゾンは、国内のカード会社として最多となる850万人の有効なネット会員を有している。その会員に対して定期的に実施できるサービスであると同社では自信を見せている。
同サービスを利用することで、メーカーは、レシートを記載している商品を何故、購入されたのかを、直接アンケートで取得可能だ。また、時間をかけずにデータを取得できる。さらに、消費者からの直接の情報であり、購入先小売傾向、POSランキング傾向はほぼ実勢を保ったままとなっている。何より、消費者動向を反映したブランド戦略・販促立案を早期に計画可能だ。
まずは、サービス開始1年間で20万人に登録をしてもらいたいとしている。また、2年目に30万人、3年目で60万人の会員数を目指す方針だ。
メーカーへの販売価格は提供サンプル数により異なるが、月間65万円程度が平均となる想定。「深く、細かいところまで聞くのであれば、結果が出るまで時間がかかりますが、安価に定期的に日々の販売と照らし合わせて検証できるのがポイントです」(磯部氏)
現在、クレディセゾンのカード会員は月間20万人弱の割合で増えている。そのうち約55%がネット会員として登録されており、今回のサービス開始はネット会員へ促すモチベーションにもなると期待している。
「今後は、同サービスを利用して、世の中で売れている商品のランキングを当社のホームページで発表することも考えていきたいです。売上ランキングを出して、例えば、商品をクリックすればネット経由で買い物ができるなどの展開も視野に入れています」(磯部氏)
消費者購買データ販売市場の10%獲得を目指す
CM動画をみるだけでポイントが貯まるサービスも開始
現在、消費者購買データ販売市場は約54億円、POSデータ販売市場は56億円で、合わせると110億円の市場になるが、「そのうちの約10%の規模となるサービスとして育てていきたい」と磯部氏は意気込みを語った。
なお、クレディセゾンは、永久不滅.comにおいて、2013年1月29日から、CM動画をみるだけでアクションポイントが貯められるサービス「CMで貯める」を開始した。利用対象は、永久不滅.comを利用できるネット会員となる。利用者は、CM動画をみるだけでアクションポイントが貯まり、さらにCM商品の購入やサービス登録で永久不滅ポイントも貯まるという。スタート時のCM動画は、化粧品、健康食品、ダイエットグッズなど約20サイトで、今後、随時更新されるという。
最後に磯部氏は、「カード会員情報と永久不滅ポイントを有効活用して、今後も会員に喜ばれる新規事業を考案していきたい」と力強く語った。