銀行持株会社のイオンフィナンシャルサービスが4月に誕生

2013年3月29日8:00

銀行持株会社のイオンフィナンシャルサービスが4月に誕生
海外事業、顧客の利便性向上に向けた取り組みを強化

2013年4月1日のイオンフィナンシャルサービス誕生に合わせて、新会社の概要及び新サービス、海外新規エリアへの展開等を発表する記者発表会が東京六本木のザ・リッツカールトンで開催された。イオングループの総合金融事業の中核会社であるイオンクレジットサービスでは、3月27日に正式な銀行の移行認可を得て、4月1日からイオンフィナンシャルサービスとして新たなスタートを切ることとなった。

イオンクレジットサービスは会社分割により
クレジットカード事業をイオン銀行に移管

イオンクレジットサービスは1981年に設立。ハウスカードの発行を皮切りに、クレジットカード、デビットカード、電子マネーなどを発行しており、キャッシュレス化に努めている。イオン 代表執行役副社長 森美樹氏は、「現在では(イオンの)レジの決済の50%を超えるまでに至っている。レジの改修が少なくなり、コスト削減につながっています。また、お客様にとってはレジの通過時間が短縮され、満足度の向上にもつながりました」と成果を語る。

左からイオン銀行 代表取締役社長 森山高光氏、イオンフィナンシャルサービス 代表取締役社長 神谷和秀氏、ゲストの蒼井優さん、イオン 代表執行役副社長 森美樹氏、イオンクレジットサービス 代表取締役 水野雅夫氏

さらに、顧客が仕事の帰りや、土曜・日曜の買い物のついでに気軽に立ち寄れる銀行が欲しいという要望があったため、2007年に365日年中無休で21時まで営業しているイオン銀行を立ち上げた。

加えて、イオンクレジットサービスとイオン銀行の両社は、商品面での連携を進めており、クレジットカード、電子マネー「WAON」、キャッシュカードが一体となった「イオンカードセレクト」の発行、イオン銀行の住宅ローンの契約者はイオンでの買い物が5%オフになる「イオンセレクトクラブ」など、小売業と金融業を融合させた取り組みを行っている。

また、イオンクレジットサービスは、1987年の香港を皮切りに、いち早くアジアでの展開を開始。現在、海外でのクレジットカードの会員数は1,000万人。特に、香港、タイ、マレーシアでは現地の証券取引所に株式を上場するなど、業容拡大を行っている。

現状、イオンカードのクレジットカードの会員数は国内外で3,100万人、WAONの発行枚数は3,100万枚、イオン銀行の口座数は300万口座となっている。

両社が属するリテールバンク業界は、異業種からの新規参入や技術革新が早く、年々競争は激化している。そういったなか、今後も顧客へ安心・便利なサービスを提供するためには、イオンクレジットサービスが持つ営業力およびプロセッシング能力、イオン銀行が持つ預金調達能力、商品開発力を融合させていくことが最善策だと考え、経営統合に至ったという。

具体的には、イオンクレジットサービスは会社分割によりクレジットカード事業をイオン銀行に移管するとともに、銀行持株会社に移行し、名称をイオンフィナンシャルサービスに変更する。また、イオンフィナンシャルサービスのもとにグループの金融各社を配置する。これにより、複数のシナジーが発揮できると期待している。

香港とマレーシアでは確固たる基盤を築く
フィリピンで事業を開始し、ミャンマーとラオスにも進出へ

1つめはアジア展開の底上げだ。アジアの金融市場では、ノンバンクがクレジットカードを発行する例は珍しい。基本的に現地の銀行が発行しており、ノンバンクの場合、ライセンスの取得に労力がかかるという。これまで、イオンクレジットサービスは日本での実績が認められ、香港、タイ、マレーシア、台湾でクレジットカードを発行しているが、香港、タイでは6年間、マレーシアでは9年間の歳月を要したそうだ。そのため、従来のスピード感では競合に後れをとる可能性がある。その点、今回の統合により銀行の持ち株会社で事業を行えるため、「これまで以上に事業を加速させることが可能になる」と森氏はメリットを口にする。

すでに香港とマレーシアでは確固たる基盤を築いているが、事業領域をもう一段上げるため、近々、両国ではリテールバンク事業のライセンスを取得し、銀行業に参入する予定だ。また、フィリピンにおいてもファイナンスのライセンス事業を開始し、まずは分割払い事業の営業を開始する。さらに、ミャンマーとラオスについても現地で営業を開始する見込みであり、アジアの12の地域でサービスを展開することとなる。

2つめのシナジーは顧客の利便性向上だ。イオン銀行がイオンカードの発行主体となることで、会員の70%を占める主婦に対して、さらに便利にキャッシングサービスを提供できる。また、カード会員に対して、さまざまな特典を提供してきたが、定期預金や資産運用においてもプロモーションを展開していきたいとしている。

3つめは、生産性の向上と営業力の強化だ。イオンクレジットサービスとイオン銀行は、同じ金融事業を展開しているため、重複している事業がある。すでに、与信部門、債権管理、コールセンターなどの事務処理部門については事業を集約。この半年間で事務部門から営業部門に120人の人員シフトを行い、インストアブランチ20店舗を新規出店できたそうだ。

そのほか、両社の統合により、個人情報の保護、システムのバックアップ体制などがさらに必要であるため、着実に対処している。イオンフィナンシャルサービスが今後、強化すべき事業領域としては、クレジットカード、銀行、保険、電子マネーに加え、他の金融機関からの事務処理業務を請け負うプロセッシング事業、目的ローン等の信用保証事業を挙げる。また、ソーラー、リフォームといった個品割賦事業、証券や送金といった新しい事業領域も拡大していきたいとしている。これらの取り組みにより、2016年度までに「目標値として国内カード会員数は3,000万人、海外カード会員数は1,500万人の合計4,500万人、また、預金残高4兆円、総資産は5兆円、経常利益では1,000億円規模を目指してチャレンジしていきたいと思います」とイオンフィナンシャルサービス代表取締役社長 神谷和秀氏は意気込みを見せる。

同記者会見には、CMキャラクターを務める蒼井優さんもゲストで出席。3月30日から放映される新CM「まるごと」篇、「夜も。」篇、「キューブ」篇にも出演が決定している。蒼井さんが20歳の時から出演しているCMについての思い出や新CMのエピソードなどについてトークセッションを行った。また、「お金の考え方」に関連したサイコロを振り、出た目のテーマとなった「最近、買ったお気に入り物」や「上京した時のエピソード」について語った。

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