2013年6月25日14:49
東芝は、スマートフォンなどの携帯機器による課金サービスに対応した、 NFCを使った近距離無線通信用LSI(CLF:Contactless Front-End)を製品化し、2013年10月から量産を開始すると発表した。新製品「T6NE2XBG」は、3つの異なるSE(Security Element)と同時接続することができ、対応する決済システムが 決まる前に機器の設計を行うことが可能となる。サンプル価格は300円(税込)で、量産予定数量は月産100万個。スマートフォン、タブレット端末、NFC用リーダライタ、無線通信を搭載する家電機器などへの搭載を想定している。
NFCの決済システムのセキュリティ機能に必要なSEの方式は、決済システム事業者の方針によって異なるが 、新製品は3種類のSEと同時接続することができるため、実際使われるSEの方式が決まる前に機器の設計を行うことが可能だ。
また、SEとのインターフェースも3つの方式が選択可能で、それらインターフェースを介してSEを同時制御(アプリ ケーションIDによる優先順位付けなど)可能な組込プログラムを搭載している。
さらに、NFCでは、開発する機種ごとに通信特性の個別調整と、決済システム事業者の要求する認証取得が必要となるが、同製品はさまざまな調整回路を搭載し、その調整値を内蔵された不揮発性メモリーに記録することにより、調整作業の簡略化が可能となっている。なお、その調整は NFCで定義されるRead/Write、カード、P2P(Peer to Peer)の各モード、3種の各通信方式(TypeA/B/FeliCa)などにおいて、それぞれ独立して設定することが可能だ。