「EC-CUBE」を独自カスタマイズした「EC-Orange」を展開(エスキュービズム)

2013年9月6日8:00

「EC-CUBE」を独自カスタマイズした「EC-Orange」を展開
ECサイトとPOSの統合管理で企業のマーケティングを支援

EC/小売業向け開発・ソリューションの提供を行うエスキュービズムは、ロックオンが提供するECサイト構築オープンソース「EC-CUBE」を独自カスタマイズしたECサイト構築パッケージ「EC-Orange」を提供している。EC-Orangeは、スマートフォンやタブレットを活用したPOSシステム「EC-Orange POS」との連携により、オンライン(Eコマース)とオフライン(店頭)の情報を統合管理可能だ。

EC-CUBEにオリジナル機能を付加
「EC Orange mall」への要望が高まる

EC-Orangeは、EC-CUBEの独自機能を引き継ぎつつもオリジナル機能を付加したパッケージとなっている。例えば、レコメンド機能、SNS連携、スマホアプリ開発、分析ツールの導入など、商品特性やターゲット、サイト規模に合わせた追加機能カスタマイズ・システム連携が可能だ。また、基幹システムや顧客管理システムなどとの連携も行える。昨年の導入は大手企業を中心に約60社。富士キメラ総研の調査によると、ECサイト構築ソフト市場のシェアは第2位となっている。

EC-Orangeではオムニチャネル化を進めている

「EC-Orangeは、多店舗型のモール機能、顧客のランクによる販売促進への活用、商品の検索、BtoBへの活用など、柔軟な拡張性を備えています。オープンソースのため、ベンダーに抱え込まれない開発ができ、自社で細かな運用が可能です。現在は、オムニチャネルやO2Oと連携したサービスが求められているため、そこにいち早く対応したことは強みとなっています」(エスキュービズム 取締役 ソリューション事業部 事業部長 武下真典氏)

EC-Orangeは、ECサイト構築パッケージ、モール構築パッケージ、BtoB向けECサイト構築パッケージの3ラインナップに分類。規模や機能に応じて複数の価格帯を設定しているが、最近はモール構築パッケージ「EC Orange mall」への要望が多いそうだ。例えば、大手流通小売業がモール型のEC店舗を新たに展開したり、複数のブランドを抱える店舗が1店舗ずつのショップを構築するケースが増えている。

リアルの商品・在庫管理、顧客管理などをネットと連携
物流との連携も可能に

EC-Orange POS

O2O展開については、「小売りの未来を形にする」をミッションに積極的に進めている。レジ機能、売上管理、商品・在庫管理、顧客情報管理といったPOSシステムの機能をタブレットで実現した「EC-Orange POS」はネットとリアルの統合管理が可能だ。また、物流との連携も重要視している。
「リアルの小売りがECに踏み出す時の課題は物流です。EC-Orangeでは、物流の仕組みとも連携可能です」(ソリューション事業部 セールス&マーケティング部 営業グループ パートナー担当 碓井宣忠氏)

大手企業がタブレット端末を店頭の受け取り端末として活用するケースもあるそうだ。最近では、Microsoft Windows RT/8に対応した接客業務特化型アプリ「Orange Gift(オレンジギフト)」を開発し、2013年8月5日より提供している。これにより、リアル店舗は個人情報や配送情報をタブレットやモバイルデバイスで簡単に管理できるようになる。

すでに複数のO2O事例を構築
オムニチャネルでリードする存在を目指す

武下氏は、「リアル連携については、各社サービスとして謳っていますが、ABCクッキングスタジオ、ココカラファイン、かっぱ寿司、ジュンク堂書店など、実際に事例を構築している点が弊社の優位点です」と自信を見せる。その上で、「お客様がネットに常時接続しつつ、どこでも情報を受け取り、買い物ができる。要求の高いお客様に対し、店舗が応えられるシステムを構築していきたいです。今後はデジタルサイネージやKIOSKなども提供していく方針です」と言葉に力を込める。

左からエスキュービズム 取締役 ソリューション事業部 事業部長 武下真典氏、ソリューション事業部 セールス&マーケティング部 営業グループ パートナー担当 碓井宣忠氏

導入企業は中堅および大手企業が中心だ。「特にリアル店舗をもっていて、ECと統合管理したいという要望が多いです」と武下氏は話す。また、「決済については、国内の加盟店契約の際に、対面、非対面で分類されているため、統合管理が難しい課題はありますが、今後対応する企業は増えると思います」と期待する。

なお、決済代行事業者としてはGMOペイメントゲートウェイ、ベリトランス、スマートリンクネットワーク、ソフトバンク・ペイメント・サービスと連携している。最近では、クレジットカードに加え、後払い決済への要望が多いそうだ。同社ではECサイト構築のパッケージがベースとなるため、決済代行事業者からの手数料は徴収していない。

今後はEC-Orange POSを活用して、ネットとリアルを連携させたより便利な決済方法を提案していきたいとしている。すでにEC-Orange POSでは、ペイメント・マイスター、Anywhere、PayPal Hereといったスマートフォン決済サービスとの連携を実現している。

同社では今後もネットとリアルを統合管理可能な「EC-Orange」「EC-Orange POS」の機能を拡張させることで、「オムニチャネルであればエスキュービズムと言われる存在を目指したい」(武下氏)としている。

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