2013年9月18日8:00
NTTドコモがモバイルに特化したプリペイドサービスを開始
使い捨て、有効期限3年の2種類のカードをVisa加盟店で利用可能
NTTドコモとビザ・ワールドワイド・ジャパンは、2013年9月17日に記者会見を行い、モバイルを利用したプリペイドカードサービス「ドコモ口座 Visaプリペイド」を提供すると発表した。同サービスの利用者は、全世界のVisaマークのあるネットショップで利用可能だ。
ドコモ口座利用者ならば審査や面倒な手続き不要
バーチャルカードはドコモ口座サイトで即時発行
ドコモ口座は、ケータイでお金を送ったり受け取ったり、安心してネットショッピングなどのお支払いができるサービスとなる。ユーザーは、面倒な手続きの必要がなく、ケータイからすぐに口座を開設して利用することが可能だ。また、ドコモ口座に貯まっているお金は4桁のパスワードで簡単に利用ができる。NTTドコモ 常務執行役員 スマートライフビジネス本部長 阿佐美弘恭氏によると、数十万人規模の会員がいるそうだ。
今回、サービスを開始する「ドコモ口座 Visaプリペイド」は、ドコモ口座利用者であればすぐに利用できるバーチャルなプリペイドカードとなる。利用者は、全国の主要なコンビニエンスストアやインターネットバンキング/銀行ATMからドコモ口座へ入金し、ドコモ口座サイトでドコモ口座Visaプリペイドのカード番号を発行する。インターネット上のVisa加盟店でクレジットカードと同じようにカード番号を入力して決済し、代金はドコモ口座から即時に引き落とされる仕組みとなる。
特長としては、ドコモ口座利用者であれば、クレジットカードのような審査・面倒な手続きなしに利用できる点が挙げられる。また、ドコモ口座の残高分だけ利用できるため、使いすぎの心配もない。さらに、セキュリティの高いワンタイム利用のカードも発行可能なため、海外のサイトでも安心して利用できるという。加えて、余ったお金はケータイ料金の支払いや、銀行口座への払い出しもできるため、無駄なく利用可能だ。
使い捨てタイプの「ワンタイムカード」
登録型サイトに適した「レギュラーカード」
今回はNTTドコモがイシュア(発行者)となり、バーチャルなカードをドコモ口座サイトで即時発行。カードは2種類あり、例えば初めて利用するインターネットショップでは使い捨てタイプの「ワンタイムカード」、Amazonや楽天市場など、登録型のインターネットショップでは有効期間が3年の「レギュラーカード」のカード番号を使うなど、利用シーンに応じて使い分けることができる。
料金プランは、使い捨てタイプの「ワンタイムプラン」、長期利用に適した「定額パックプラン」の2つから選択できる。まず「ワンタイムプラン」では、ワンタイムカードを発行。ドコモ口座への入金手数料、月額手数料は無料だが、カード番号発行手数料として1回105円が必要となる。また、有効期限は10日間となっている。一方、定期的に利用する人に対して提供する定額パックプランは、レギュラーカードとワンタイムカードを利用することができ、ドコモ口座への入金手数料とカード番号発行手数料は無料、月額利用料は210円(税込)となる。また、有効期限はレギュラーカードが3年間、ワンタイムカードが10年間となっている。
両サービスともにインターネットショッピングの決済時にクレジットカード会員本人しか知り得ないパスワードを用いて認証を行う「VISA認証サービス(3-Dセキュア)」にも対応している。
NTTドコモでは、10月31日まで、ドコモ口座Visaプリペイドを使って買い物をした人を対象に抽選で50人に1人、全額(最大10万円)キャッシュバックする「スタートアップキャンペーン」を展開する。
なお、現状のドコモ口座 Visaプリペイドの利用はVisaネット加盟店のみであり、リアル店舗への展開は検討していないそうだ。また、口座への入金方法も当面はコンビニエンスストア、インターネットバンキング/銀行ATMのみとなり、クレジットカードからの入金などは考えていないという。
Visaでは、後払いの「クレジット」、即時払いの「デビット」に加え、前払いの「プリペイド」を提供している。国内では国際ブランドの決済と言えばクレジットカードが主流だが、2012年の海外の取扱高は57%、決済件数は60%がデビット/プリペイド決済となっている。ビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役 岡本和彦氏は、「他の国ではデビットやプリペイドが広範に発行されている」としたうえで、「国内でもプリペイドは成長すると確信している」と話す。また、Visaは2020年の東京五輪の公式スポンサーだが、「キャッシュレスのオリンピックにしたい」と意気込みを見せた。