2013年12月19日8:00
液晶ディスプレイを搭載したコンパクトな決済端末「CT-4100」を販売
POS連動で電子マネーを容易に導入できるシステムを搭載
国内大手のPOSベンダーである東芝テックは、カラー液晶でフルタッチパネルを搭載した決済端末「CT-4100」の販売を行っている。2013年はクラウド型電子マネーとセットで導入する加盟店が大幅に増加。同社ではPOS連動時に電子マネーの機能をCCTに集約することにより、加盟店の負荷なくサービスを導入可能なシステムの提供を強化する方針だ。
2013年に入り端末の導入が加速
タッチパネルにより初心者でも簡単に操作可能
東芝テックでは、NTTデータの「INFOX-NET」、日本カードネットワークの「CARDNETオンラインセンター」に接続する決済端末を販売している。2013年8月現在、約4万台の端末を出荷。特に2013年に入ってからは端末の導入が加速しているそうだ。
最新機種の「CT-4100」は、INFOX端末、JET-S端末ともに提供。同端末は、4.3型ワイドスクリーン・カラーTFT液晶ディスプレイを搭載。フルタッチパネルで直観的な操作が可能だ。また、紙の消費電力を抑えたエコ対応も売りとなっている。
「本体がタッチパネルなので、ファンクションキーで選ぶよりも操作が非常に簡単です。端末の操作に慣れていない素人の方でも気軽に操作できます」(東芝テック システムソリューション事業本部 リテールソリューション事業部 SIプロジェクト・決済推進部 決済推進担当 課長 三木 孝浩氏)
JET-S端末は半数以上のユーザーが
電子マネーとセットで導入
同事業部 部長 金澤 肇氏は、「2013年8月にJET-Sで電子マネー対応を行いましたが、半数以上の申し込みは電子マネー端末とセットでした。すでに8月だけでも1,000台の注文がありました」と笑顔を見せる。
電子マネーについては、トランザクション・メディア・ネットワークスのクラウド型電子マネー端末「UT-1Neo」に接続。各種交通系IC、楽天Edy、QUICPay、iDの決済に対応している。また、他の電子マネーにも順次対応予定だ。
他社との差別化については、POS連動が強みになっているそうだ。POSレジとの連動により、金額の2度打ちの手間が不要だ。また、支払い金額の誤入力を防ぎ、処理時間も短縮できるという。
電子マネーの円滑な導入に向けたシステム開発も実施。電子マネー導入の際の障壁として、POSにリーダライターを直結するタイプの場合、各電子マネー事業者への手続きの申請が複雑になり、それぞれの電子マネーの認定が必要になる。そのため、電子マネーをCCT端末に寄せて、POSの操作は変わらずに、各電子マネーを選ぶだけでCCT端末による処理が可能になるシステムを提供している。これにより、POSで新たに電子マネー認定を取得する必要なく、サービスを導入可能だ。
「CCT端末で電子マネーの対応を行うだけで、POS側の操作性を変えない方法での導入も可能です。2007年に電子マネー元年でサービスを導入した企業のリプレイス時期が2013年から14年にきますが、その際にPOS直結で開発費をかけて認定を取るよりも、CCT端末経由で電子マネーを導入する考えがカード会社にあります」(金澤氏)
三木氏は、「来期も電子マネーの第二次ブーム乗る形で採用は伸びると思います」と期待する。すでにスーパー向けのPOSでは同機能に対応しており、今後は対応機種を増やしていく方針だ。また、国際ブランドが推進する「Visa payWave」「MasterCard PayPass」決済への対応も検討していきたいとしている。
ただし、同機能の提供企業はレシートが2枚出力される点、CCT端末分の設置面積が増えるといったデメリットもあるそうだ。
今期は2万台程度の出荷を予定
将来的には国内で30%のシェア獲得を目指す
対応する通信回線も充実しているが、昨今ではインターネット接続を望むユーザーが増えているそうだ。例えば、JET-S端末については、40%がインターネット回線となっている。
ポイントサービスについては、CCT端末の標準ポイントに加え、トリニティと提携し、Tポイント端末を中小加盟店が導入できるサービスの提供を行っている。
今後はPOS連動できるという東芝テックならではの強みをさらに強化していく方針だ。近年は、各社の端末とも機能面、価格面の差は徐々になくなっているそうだ。ある程度の基本のハードウェアは揃ったため、ソフトウェアの追加に力を入れるという。
また、今期は端末の出荷が2万台を超えると想定できるため、来期も同様の出荷台数を目指す。東芝テックの現状のINFOX端末のシェアは約20%、JET-S端末はまだ10%未満であるため、「将来的には30%のシェアはとらなければいけないと考えています」と金澤氏は意気込みを語った。