2013年12月11日8:00
カード決済端末の最新動向
中小の加盟店が決済を行う際に必須とも言えるカード決済端末。国内では日本クレジットカード協会により安全基準や運用ルールなどが設けられたCCT端末などが利用されている。CCT(Credit Center Terminal)はCAFIS以外のカード情報処理センターに接続する端末となり、NTTデータの「INFOX-NET」、 日本カードネットワークの「CARDNET」、GPnet.の「GPnet」、エスアイアイ・データサービスの「CREPiCO(クレピコ)」、シー・オー・シーなどのセンターに接続される。国内では、エスアイアイ・データサービス、オムロンソフトウェア、東芝テック、パナソニックシステムネットワークス、富士通フロンテック、バイテルジャパン等がCCT端末の開発を行っている。
また、最近のカード加盟店からの要望として、さまざまなアプリケーションを追加できる独自性のある決済端末の開発を求めることが増えているが、キヤノンマーケティングジャパン、日本ポステックやネットアライブではそういったニーズにも対応した端末を提供している。
決済手段の多様化により電子マネー対応端末などが利用されるケースも増えている。最近では、端末本体にセキュリティ機能が搭載され、処理速度の速いリッチクライアント型の端末に加え、ネガ情報をサーバ上で管理するシンクライアント型の決済システムも導入が進んできた。
主要な端末メーカーや情報処理センターでは、FeliCa ICカード技術を利用した電子マネーに加え、国際ブランドが提供する「Visa payWave」「MasterCard PayPass」への対応を準備しており、来年以降は国内の加盟店への端末の設置(もしくはソフトウェアの追加)も積極的に行われると期待できる。
最近では、iPhone等を利用したカード決済が話題になっており、国内で同サービスを提供するプレイヤーも整理されてきたが、今回取材した企業からは、「現状は個人事業主など、これまでカード決済の導入が敬遠されてきた店舗が中心であり、それほど競合はしていない」という声が多かった。
今回のフォーカスでは、国内の主要な情報処理センターや決済端末提供企業の動向を取り上げる。また、2013年11月末に行われた「Cartes 2013」で展示を行った世界主要メーカーの動向についても紹介する予定だ。
◇カード決済センター事例
70万台を出荷する「INFOX-NET」の次なる展開は?
リーディングカンパニーとして多彩なカード決済に応える機能を提供
~NTTデータ
屈指の実績を誇るモバイル決済サービスに加え、実店舗への展開も強化
タクシー向けに1万台の「マルチ電子決済サービス」を提供
~エスアイアイ・データサービス
◇決済端末提供企業事例
液晶ディスプレイを搭載したコンパクトな決済端末「CT-4100」を販売
POS連動で電子マネーを容易に導入できるシステムを搭載
~東芝テック
決済端末で国内No,1のシェアを誇るパナソニックの次なる展開は?
電子マネーは国内の主要サービスに加え、国際ブランド準拠の決済にも対応へ
~パナソニック システムネットワークス
据置、モバイル、スマートデバイスを活用した独自サービスを支援
柔軟性のあるアプリケーションの開発を短期間・低コストで実現可能
~日本ポステック
プリンタと操作部を分離、設置レイアウトも自由自在な決済端末「CATS300」
オートカッターやバックライト機能を装備し、クラウド型電子マネーに対応
~オムロンソフトウェア
決済端末本体でNFC決済ができる低価格な多機能端末「IC3500」を販売へ
スマートフォンにBluetoothで接続するEMV対応「IC5500」もリリース
~バイテルジャパン
数多くの決済ブランドに対応した端末で、加盟店のニーズに沿ったサービスを目指す
「VEGA5000S」はカラー液晶、Wi-Fi対応、FeliCa検定(Mクラス)クリア、高速CPUで差別化を図る
~ネットアライブ
スマートフォン決済や国際ブランド準拠の非接触決済サービスを強化
GMO-PGとの連携でO2Oサービスにも積極的に取り組む
~シー・オー・シー
◇電子マネー端末提供企業事例
1台で5ブランドに対応した「TMNシンクライアント決済サービス」は順調に成長
CCT、POS、タブレットに対応し、CRMシステムの提供も強化
~トランザクション・メディア・ネットワークス
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