2014年2月10日8:00
モバイル決済システム「ZNAP」の海外での展開状況は?
MPayMeグループCEOのアレッサンドロ・ガドッティ氏インタビュー
iPhoneやAndroidなどのモバイル端末を用いて素早く簡単に決済できるモバイル決済システム「ZNAP」。現在、世界9カ国でサービスが展開されており、日本でもダイヤモンドダイニングがZNAPの機能を体験できるコンセプトショップ 「QRBAR」を東京 六本木にオープンした(関連記事)。MPayMeグループCEOのアレッサンドロ・ガドッティ氏に海外でのZNAPの展開について話を聞いた。
インドネシアでは毎週5~6万ユーザーを獲得
企業のニーズに合わせ、さまざまなサービスを提供
――海外のZNAPのローンチ状況についてお聞かせください。
アレッサンドロ・ガドッティ:現在、世界9カ国でサービスを展開していますが、例えばインドネシアの場合ですと、オンラインサービスを行っている店舗が約120あり、各店舗で毎週約500ユーザー増えています。インドネシアだけでも毎週5万~6万ユーザーが新規に利用しています。
サービスの状況について把握するためには、登録者ではなく、実際に使っている方がどのくらい存在するのかが大切です。我々の統計では、ZNAPをダウンロードしたユーザーのうち85%が日常的にサービスを利用されています。
――ユーザーに利用してもらうための具体的な戦略についてご説明ください。
アレッサンドロ・ガドッティ:我々の戦略としては、お店あるいは企業の方々が、消費者にZNAPを利用してもらうようにプッシュしてもらうことです。消費者が何を求めているのかを最も理解しているのはお店の方なので、この戦略は重要です。当然、企業によってそのやり方は異なりますが、ZNAPは消費者のニーズによって、違ったサービスを提供することが可能です。
例えば、インドネシアの大手のスーパーマーケットチェーン「Hypermart(ハイパーマート)」では、ZNAPを利用するお客様に対して割引サービスを行ったり、商品が当たる仕組みを提供しています。ハイパーマートでは今後、ZNAPだけでクーポンを提供する予定です。
英国の「Rugby Football Union(ラグビー・フットボール・ユニオン)」の場合、ラグビーの試合会場の店舗でフード等を購入できるコーナーがありますが、ZNAPを利用する方には特別なエリアを設けています。そのため、ZNAPユーザーであれば、並ばずに購入が可能です。ZNAPを利用すれば、事前にオーダーでき、そのコーナーに来れば購入したフードがすぐに出てきます。
米国では、Pitney Bowes(ピツニーボウズ)という公共料金の支払い会社がありますが、ZNAPを使って支払いを行うと料金の割引が受けられます。
このように、3つの企業がユーザーを獲得するために違った取り組みを行っています。企業側のベネフィットとしては、ZNAPを使って、これまでできなかったことが可能になり、店舗オペレーションの簡便性が高まりました。
――ウォレットサービスは競合も登場していますね。
アレッサンドロ・ガドッティ:我々は単純に決済だけを提供しているわけではなく、企業や店舗にもそのように説明しています。その代わり、ビジネスプラットフォームを提供しています。あくまでもCRMサービスを提供したり、売り上げをアップしたり、コストを削減するのが目的となります。
2014年末までに500万~600万ユーザーの利用を目指す
NFCを利用したサービスも英国と米国のイベントで採用
――ZNAPの今後の目標をお聞かせください。
アレッサンドロ・ガドッティ:少なくても2014年末までのターゲットとして、500万~600万ユーザーに利用していただきたいと考えています。
――日本の市場はいかがでしょうか?
アレッサンドロ・ガドッティ:日本は人口や1人ひとりの支出可能額が多いです。また、企業も成熟しており、ハイテクなサービスを好むと思います。さらに、日本では時間が重要となりますが、より優れたZNAPの技術を利用して消費者の生活を豊かに、便利にしていきたいと考えています。
――ZNAPはQRコードを中心にサービスを展開していますが、NFC技術についてはどのようにお考えですか?
アレッサンドロ・ガドッティ:すでに展開していますが、弊社のNFCソリューションはよりスマートです。筐体を用意する必要はなく、店舗でタグにタップするだけで決済が可能です。ZNAPの場合はクラウド上で管理するため、筐体に情報を蓄積する必要はありません。
――すでにNFCでの採用実績はありますか?
アレッサンドロ・ガドッティ:合計30万人が来場する英国と米国のイベントがありますが、そこで利用される予定です。新しい技術があっても何も付加価値がないと、誰も使いません。現状、NFCで付加価値を提供できているサービスは少なく、企業のコストもかさみます。ZNAPはそれを解決できると考えています。
※取材は1月22日の「QRBAR」レセプションパーティにて