2014年12月12日8:00公衆Wi-Fiインフラを活用した「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクト発足JCBは海外会員の利便性向上、国内のさらなる加盟店拡大を目指す
ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)と、訪日外国人観光客をターゲットとしたインバウンドビジネス活性化を目指す法人・自治体の全17団体は、2014年12月11日に都内で記者会見を行い、「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクトを発足し、Wi2が提供する全国24万箇所のWi-Fiスポットへの無償接続機能と、国内の観光情報、施設情報の配信機能を実装した、訪日外国人向けスマートフォンアプリ「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」を提供すると発表した。アプリはGoogle PlayとApp Storeにおいて、12月12日から順次配信を開始する。
法人・自治体の全17団体でプロジェクトを発足
日本全国24万カ所のWi-Fiスポットが使える
参画企業・団体は、Wi2、アクセンチュア、沖縄県、一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー、小田急電鉄、キャナルシティ博多、京都市・公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー、KDDI・沖縄セルラー電話、神戸市、ジェーシービー、東京都交通局、ドン・キホーテ、日本航空(JAL)、パナソニックインフォメーションシステムズ、ぴあ、ビックカメラ、マツモトキヨシとなる。
「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」は、エリアの整備が取り組みの中心ではなく、「最良のおもてなしを訪日外国人に提供する価値提供のフェーズに移行した」と、Wi2 代表取締役社長 大塚浩司氏は説明する。サービスの特長としては、①24万スポットのWi-Fiスポットを無償で使い放題、②役立つ情報配信で、日本の旅をよりお得に便利にサポート、③分析レポートの活用で、さらなるサービス向上が可能――の3点が挙げられる。
まず、訪日外国人観光客は「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」アプリをダウンロードし、利用規約に同意することによって、Wi2ベーシックエリアに無償で接続することが可能になる。また、パートナー各社が提供する「プレミアムコード」を入力すると、全アクセスポイントを利用可能だ。生活導線に沿ってエリアを設定するため、空港や鉄道、人気観光スポットや商業施設など、入国から滞在中の導線を幅広くカバーするのも特徴となっている。
日本での滞在をサポートするさまざまな情報を配信
分析したデータをマーケティング情報として活用可能に
また、参画法人・自治体より提供の情報を中心に、日本での滞在をサポートするさまざまな情報をアプリで配信。顧客に合った情報をレコメンドして配信するという。これにより、訪日外国人観光客の国内旅行に役立つ情報を提供するとともに、O2Oを実現することで、インバウンドビジネス領域での経済活性化を目指す。
同アプリは、訪日外国人がダウンロードの際、個人情報保護法の規定に従い情報の利用目的に同意した上で、利用者属性や行動経路などの情報取得を行う。その後、分析したデータをマーケティング情報として活用することにより、各分野での訪日外国人観光客に向けたサービスの向上に活かすそうだ。なお、解析エンジンはWi2とアクセンチュアが共同で作ったものを提供する。
訪日外国人は、Wi-Fiスポットを起点とした上下のスクロールのタイムライン表示で直観的な操作が可能だ。また、過去の情報を1カ月間保存することができる。さらに、自分が接続しているWi-Fiスポット近隣の施設情報やWi-Fiスポットの情報を横スクロールで表示。その情報は、施設や商品の画像、施設の名称、施設や商品などの詳細情報、情報提供元サイトへのリンク、施設の地図情報となる。また、地図情報をタップすることで、各OSの地図アプリと連携し、簡易ナビができるそうだ。利用者には、施設、商品の情報やお得な新着お知らせなど、幅広い情報を一日数回程度プッシュ通知で配信する。また、その情報を通知メニュー内に蓄積することで、後から確認可能だ。
拡大する海外発行のJCBカード会員に利便性を提供
2015年6月までトライアルを実施
京都文化交流コンベンションビューロー 国際観光コンベンション部部長 赤星周平氏は、「これまでのプロモーションは、前例、慣習、勘に頼りがちだが、今回のプロジェクトに参画することにより、よりセグメントして相手のニーズをくみ取ったプロモーションができる」と期待する。また、同プラットフォームを活用して、京都の売りたいものの情報を適宜配信する展開も行っていきたいとしている。
また、神戸市観光振興局では、今年度から外国人観光客をターゲットに、市内3,000以上あるWi2のアクセスポイントを活用し、「KOBE Free Wi-Fi」事業を開始。同プロジェクトにより、接続方法がさらに簡易になる点、観光情報と連動した取り組みが可能となることを期待した。
JCBは、アジア諸国を中心にJCBブランドカードの発行を拡大しており、「日本での利用も伸びている」と、ジェーシービー・インターナショナル ブランド事業統括部門 ブランドマーケティング本部長 杉山二朗氏は話す。今回のプロジェクトへの参加により、JCB会員様の利便性を向上させ、JCBブランド価値・会員満足度を高めていくことに加え、国内の加盟店の拡大にもつなげていきたいとしている。
なお、同プロジェクトは2015年6月末日までをトライアル期間として、その間における効果、利用状況などを検証し、順次情報展開を行う。また2015年7月より本格商用展開を目指し、参画パートナー法人や自治体を拡大した上でインバウンドビジネスの活性化を担うサービスを展開していきたいとしている。