2015年1月16日8:00世界屈指の決済端末ベンダー、Ingenicoが「Telium Tetra」を発表リアルでの展開に加え、オンラインでのサービスも強化
Ingenico(インジェニコ)は、世界を代表する決済端末ベンダーだ。同社では、2014年11月4日に加盟店が提供したいアプリケーションを自由に決済端末にダウンロード可能なプラットフォーム「Telium Tetra」を発表。また、オンラインやオムニチャネル展開も強化している。同社の取り組みについて、Ingenico グループストラテジック・マーケティング・ディレクターのFrederic Bern氏に話を聞いた。
180カ国以上で300を超える支払に対応
「Telium Tetra」は加盟店が様々なアプリをダウンロード可能
――まずは、インジェニコ様の世界における立ち位置についてお聞かせください。
Frederic Bern:インジェニコはもともとPOSのカードリーダーを中心に展開しており、この分野においては世界でトップの立ち位置となります。近年では、POSからオンライン、ショップにおいてのモバイルペイメントに進化しています。したがいまして、弊社の目標は安全な決済をオフラインでもオンラインでも提供することです。
現在の弊社のお客様は銀行や流通企業です。また、Visa、MasterCard、PayPalなど、180を超える国々において、300以上の支払い手段に対応しているのが特徴です。
――決済端末においての新たな動きはございますか?
Frederic Bern:2014年11月4日に、フランスで開催の「CARTES SECURE CONNEXIONS 2014」と、米国で開催の「Money20/20」において、新しいプラットフォーム「Telium Tetra」を発表しました。同プラットフォームは、決済端末ですが、ペイメントのみならず他の仕様にも利用できます。加盟店は、Apple StoreやGoogle Playで生活者がアプリをダウンロードするのと同じように、クーポン、ロイヤルティプログラム、電子マーケティングのツールをダウンロードして利用できます。
――同プラットフォームが決済市場に受け入れられる自信はありますか?
Frederic Bern:非常に自信を持っています。銀行とリテールは我々のお客様ですが、そういったお客様からの要望もありましたので、それに対応したソリューションとして成功する自信は持っています。弊社としては、加盟店の売上をさらに高めていきたいと考えており、例えば、加盟店では決済以外にタクシーを呼び出したり、プリペイドのチャージといったことにも利用可能です。
「Telium Tetra」は欧州、アジア、南米での展開を想定
日本市場では信頼が何より重要
――マーケットプレイスからアプリケーションをダウンロードするということですが、アプリの提供による収益を考えているのでしょうか?また、どの国から提供を考えていらっしゃいますか?
Frederic Bern:我々はアプリケーションを提供する会社ではありませんので、それは考えていません。むしろ、マーケットプレイスを利用していただくことにより収益を得る仕組みとなります。「Telium Tetra」の提供地域ですが、我々は世界レベルの企業であり、欧州、アジア、南米など、複数の国々で同時展開する予定です。
――日本におけるビジネスの期待はいかがでしょうか?
Frederic Bern:すでに日本向けのプロジェクトは株式会社Lyudia(ルディア:インジェニコ日本総代理店)と連携して展開しており、タクシー業界へのプロジェクトが動いています。ただ、日本市場は要求の高いマーケットであることも確かです。インジェニコとしても日本市場での展開は長い間検討してきました。我々は日本市場に積極的に参入したいという野望は持っていますが、多くのステップを経なければいけないのも過去の経験から同時に認識しています。日本においては、FeliCaなど、ローカルに存在するペイメントシステムのプレイヤーも満足させる必要があります。また、日本のマーケットにとって、信頼性がもっとも大切なのは理解しているため、デモンストレーションを通じて、今後も一歩一歩、信頼を構築していきたいと考えています。
――最後に今後の目標についてお聞かせください。
Frederic Bern:弊社の目標は、決済が行われているすべての領域で便利なサービスを提供することです。以前はリアル店舗においての決済端末を中心に提供してきましたが、今後はオンライン、オムニチャネルでの展開も強化していきたいです。
※取材は2014年11月2~5日まで開催の「Money20/20」にて