2015年8月17日9:35
新OS「Telium Tetra」の提供、mPOSの展開にも力を入れる
オーストラリアにおいて、決済端末ベンダーのIngenico(インジェニコ)は、75%のシェアを占めるという。新OS「Telium Tetra(テリウム・テトラ)」、mPOSの状況など、オーストラリアにおける同社の端末の導入状況について、話を聞いた。
Ingenicoはオーストラリアで75%のシェアを誇る
端末は接触、非接触のEMV対応が基本
Ingenico(インジェニコ)は、決済端末の導入において全世界でトップのマーケットシェアを誇るが、オーストラリアでは75%のシェアをを誇る。オーストラリアの決済取引は、ほぼ100%がEMV(接触および非接触)となっている。また、Ingenicoの端末は、非接触のコンタクトレスEMV対応が基本となっている。
IngenicoはEMVのエキスパートであり、まずそこで優位性があるそうだ。導入する企業は、他社の端末を試すケースもあるというが、品質などの面から、同社に切り替えることも多いという。Ingenico International(Pacific)Pty Ltd Product Manager,Pre Sales Duncan Hensly氏は、「安全な決済を幅広い分野でできるため、他社は追随できないと思います」と説明する。
OS「Telium Tetra」で決済端末は情報端末になる?
銀行や加盟店は、端末に容易にアプリを管理、更新
同社では、カード端末機のシステムと統合されたOS「Telium Tetra(テリウム・テトラ)」をグローバルで発表。端末はDesk、Lane、Moveの各シリーズがあるが、すでに提供を開始している。アプリケーションについては、2016年の提供となるそうだ。「Telium Tetraのアプリにより、付加価値をつけていきたい」とDuncan Hensly氏は意気込みを見せる。
アクワイアラとなる銀行や加盟店は、端末に容易にアプリを管理、更新することが可能だ。また、加盟店はウォレット機能、ギフトカード、プリペイドカード、会員機能など、 数多くのサービスを提供できる。
「Telium Tetra」にはアプリの提供ベンダーが名を連ねる
mPOSはingogoやCBAなどに提供
アプリの提供パートナーには、Black Label、 DigitasLBi、Emida、GoodLabs、Heoh、Homebase、iMobile3、Ingenico Mobile solutions、Ingenico prepaid services、Jade-I、Monitise、MV2、Openbucks、Paymium、Proxama、Tapcentive、Touch、Touch and Play、truRating、Vidal、Welcome Real Time等が名を連ねる。
5月に開催された「Card&Payments Australia2015」では、アプリベンダーのBlack Label、Touchも展示。Black Labelでは、「NomadPOS」のアプリをIngenicoマーケットプレイスで入手できるようにするそうだ。また、Touchは、ギフトカードやプリペイドカードのアプリを提供。モバイルのアプリを利用して、支払いが可能となる。Touchアプリは、オーストラリアをもちろん、ヨーロッパ、スイス、ドイツ、オーストリア、スウェーデン、ポーランド、ラトビア等で提供する予定だという。
また、mPOS(モバイルPOS)も主に中小規模の加盟店に対し現地で提供。タクシー向けのアプリケーションなどを提供する ingogoやオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)などに対し、端末を提供しているそうだ。また、要望に応じてモバイルプリンタも提供している。
mPOSについては、大手加盟店の場合は、銀行がコストを回収するケースもあるという。また、中小規模の加盟店の場合は月額で端末を提供しているそうだ。
※取材は2015年5月20、21日開催の「Cards & Payments Australia 2015」のIngenicoのブースにて