グローバルな決済サービスプロバイダ、Adyenアジアでの展開を本格強化

2015年6月2日7:00グローバルな決済サービスプロバイダ、Adyenがアジアでの展開を本格強化単一の決済プラットフォームで世界中の決済を導入可能に

アムステルダムとサンフランシスコに本社を置くAdyen(アディアン)は、250種類以上の決済方法と187種類の取引通貨に対応した世界的な決済サービスプロバイダだ。単一の決済プラットフォーム上で世界中のオンラインペイメントを受け入れることができ、フェイスブック、エアビーアンドビー、グルーポン、エバーノート、Booking.comといったユーザーを抱えている。Adyenでは成長著しいアジアのマーケットを強化しているが、2015年4月にアジア太平洋プレジデントに就任したウォーレン・ハヤシ氏に、同地域での取り組みについて話を聞いた。

5年後にアジアは重大マーケットになる
250種類以上の決済方法と187種類の取引通貨に対応

――まずは、貴社にとってのアジア・パシフィックエリアの位置づけについてお聞かせください。ウォーレン・ハヤシ:

eコマースの世界を見ると、10年前は米国と欧州が中心でした。現在、インターネットを利用される方の動向や、GDPの成長をみると、2020年には世界の重大マーケットはアジアになると思います。日本では、楽天やAmazon、ヤフー(Yahoo!JAPAN)などがサービスを展開しており、中国ではタオバオ(淘宝)、テンセント(騰訊)などの成長率が高いです。

オンラインには、ボーダーがありません。通常のオンライン決済では、各国ごとに異なるインターフェースが必要な場合もありますが、Adyenのグローバルでのバリュープロポジションの1つは、VisaやMasterCardだけではなく、各国独自の決済方法を簡単にペネトレートできることが挙げられます。米国や欧州のマーチャントがアジアのバイヤーを探している場合は、支付宝(アリペイ)や中国銀聯、テンペイといったサービスを導入可能です。

――グローバルなオンライン決済サービスプロバイダとしての位置づけはいかがでしょうか?
ウォーレン・ハヤシ:シングルAPIで、250種類以上の決済方法および187種類の取引通貨と接続が完結するのは、世界でも随一だと自負しております。Adyenは、2014年の決済取扱高実績で約3.1兆円を達成致しました。

アジア各国で現在、積極的に決済パートナーとの提携を行っております。日本においては、コンビニエンスストア支払いの包括代理契約を締結し、弊社サービスとしてコンビニ支払いを拡充致しました。

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Adyen アジア太平洋プレジデント ウォーレン・ハヤシ氏

――日本市場をどうとらえていますか?
ウォーレン・ハヤシ:日本展開に関しては、検討の段階でございます。市場規模がアジア域内において、中国に次ぐ大きな市場です。そのため、重要な市場と捉えており、積極的な展開方法を模索しております。

昨今では、日系企業様の海外進出が著しく特にアジア域内における投資が活発化しております。電子商取引の海外展開を検討される際、決済は必須検討事項でございます。弊社サービスでは、シングルAPIへの1度の接続で、世界各国への展開を迅速に実現頂くことが可能です。つきまして、弊社日本進出に際し、日系企業様の海外展開のお手伝い、日本国内決済サービスの拡充に努めます。

――サービス面での強みについては、いかがでしょうか?
ウォーレン・ハヤシ:決済サービスプロバイダは世界中に数多くありますが、マーチャントからみて高いクオリティを提供できるのがAdyenです。リスクマネジメント、フォローマネジメント、バックオフィスのレポーティングなどを提供できますし、海外のペイメントメソッドを与えることができます。他社のシステムの場合、リスクマネジメント(フラウド)を追加するコストが必要ですが、すでに標準で搭載されています。また、バックオフィスのフォローマネジメントは、マーチャントが大きくなればなるほど、レポーティングが重要となりますが、カスタマイズが可能です。

Adyenの決済プラットフォームは、世界的なオンライン決済規模の成長を考慮し、ITシステムに拡張性を持たせ構築されております。また、プラットフォームの拡張性がなければ、大手のマーチャントは採用しませんが、Adyenは米国の大手マーチャントが利用しており、年々、採用企業は増えています。

――海外では、オムニチャネルの展開もスタートしていますね。
ウォーレン・ハヤシ:Adyenは、オムニチャネルを強化しています。米国ではさまざまな決済サービスが登場しており、モバイルを使ってオフライン(リアル加盟店)で展開されているため、アジアでも時間の問題だと思います。ただ、アジアでのmPOSの展開については、未定となっています。

――最後に、今後の意気込みについてお聞かせください。
ウォーレン・ハヤシ:Adyenは、2014年12月に、時価総額1800億円にて、シンガポール政府投資会社であるテマセク・ホールディングスを含む投資家より、300億円の資金調達を実施致しました。Adyenは、アジアでは、初期の段階ですが、オプチュニティ(好機)は大きいと思います。アジアの市場は、5年後に米国や欧州よりも大きくなりますので、この成長を後押ししていきたいです。スケーラビリティ、インテグレーション、セキュリティ、サービスのすべてを兼ね備えていることが弊社の強みとなります。Adyenのフィロソフィは“マーチャントファースト”です。今後もお客様に信用いただけるように、慎重に、シリアス(真剣)に、サービスを展開していきたいです。

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