2015年9月1日7:50
国内でも普及が進む国際ブランド発行のデビットカード。デビットカードの仕組みには、即時引き落としの「オンラインデビット」と、決済が数日後となる「オフラインデビット」の2つがある。
ペイメントカード先進国のアメリカやイギリスなどでは、こうしたデビットカードがクレジットカードを件数で大きく上回るようになっている。こうした急増するデビットカードの主流は、VisaやMasterCardの国際決済ブランドのネットワークでクレジットカードと同様に決済されるオフラインデビットカードである。こうしたオフラインデビットカードが“チェックカード”と呼ばれていたように、小切手決済の代替として生まれ、普及してきた経緯がある。
デビットカードのイシュア(発行会社)は、クレジットカードのようにリボルビング金利による収益は生じず、キャシング(キャシュアドバンス)からの収益も期待できない。デビットカード決済から得られる手数料は、オンラインデビットカードは決済件数一件につき徴収されるトランザクションフィーのみである。
決済連動マーケティング市場要覧によると、クレジットカードは、1990年代から年会費を徴収し、カスタマーロイヤルティプログラムや各種付帯サービスを付けユーザを囲い込み、クレジットカード決済の増進を図るマーケティングが展開されてきたが、1990年代に登場したオフラインデビットカードはクレジットカードに比べ、デビットカードは収益性が低く、カスタマーロイヤルティプログラムへのコスト対応に限界があり、シンプルで、カード決済に徹していたという。2000年代に入るとオフラインデビットカードにもクレジットカードと同様に、一部でデビットカードリンクした銀行口座で年会費を徴収したりするなど、カスタマーロイヤルティプログラムや各種付帯サービスを付けユーザを囲い込み、デビットカード決済の拡大を図る金融機関が増えてきたそうだ。
オフラインデビットカードに付帯されている特典プログラムは、大きく分けて「ポイントベースの報酬プログラム」と「リレーションシップによる報酬プログラム」がある。
「ポイントベースの報酬プログラム」の場合、クレジットカードとオフラインデビットカードが同一特典プログラムで行われる場合、クレジットカード決済金額1ドルにつき1ポイントの場合であれば、オフラインデビットカードは決済金額1ドルにつき2ポイントから6ポイントの割合で設定されている。
もともとクレジットカードに比べて収益性の低かったオフラインデビットカードは、従来から「リレーションシップによる報酬プログラム」への高い関心が待たれているそうだ。