2015年12月3日8:00
凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は、2015年11月27日、大手町ファーストスクエアにおいて、第8回「ギフトカード/ハウス電子マネーサービス」ユーザー会を開催した。同ユーザー会には、ギフトカードやプリペイドカード発行企業など、約100名が参加した。
サービス開始から10年目を迎え、120社以上が採用
凸版印刷と富士通FIPが開発した「ギフトカードASP サービス」は、ギフトカードの残高管理を行うリアルタイムプロセッシングサービスとなる。2006年にサービスを開始してから10年目を迎えたが、120社以上が採用しているそうだ。ユーザー会の冒頭にあいさつした凸版印刷 取締役 情報コミュニケーション事業本部 トッパンアイデアセンター長 中尾光宏氏は、「止まらないサービスとして、2014年度は100%の稼働率を実現しました」と説明した。
8回目を迎えたユーザー会の開催の趣旨は、①「生活者視点に立ち、ギフトカードサービスの向上と普及を目指す」、②「情報や知恵を共有し、お客様と互いにギフトカード事業の成功を目指す」、③「ギフトカード市場全体の成長と発展に貢献する」、3つとなる。
ギフトカードの米国のトレンド、日本の活用事例を紹介
今回のユーザー会では、まずゲストとしてIBAカンパニー 代表取締役社長 射場 瞬氏が登壇。同社は海外の決済に関する調査やアドバイザリーなどで豊富な実績を有しているが、北米を中心とした「プリペイドカード市場とマーケティングトレンドの概況」について講演した。射場氏は、USプリペイドカードの市場動向、同市場での収益モデルを紹介。また、現地で展開されているパッケージデザインやマーケティングのトレンドについて解説した。
続いて、凸版印刷 トッパンアイデアセンター 日沼雄一氏が、「消費者インタビューから読み解くギフトカードの課題と打ち手」についての結果を紹介した。今回は、性別や年代が異なる12名の協力を得てギフトカードに関するインタビューを行ったが、ギフトカードを贈ったことがある人は7名となった。インタビューではギフトカードを贈らない理由として、「味気ない」「物足りない」という意見を採りあげ、その解決策としてメーカーズシャツ鎌倉とBEAMSの事例が紹介された。
ハウス電子マネーの利用者は非利用者よりも来店回数が多く、
月間の買い上げ金額は高い
休憩をはさみ、スーパーマーケットなどで拡大するハウス電子マネーについての講演を実施。富士通エフ・アイ・ピー アプリケーションサービス推進部 厚東たゆま氏が4社の協力を得て実施した「ハウス電子マネーの導入効果」の結果について発表した。同調査結果によると、ハウス電子マネーの利用者は非利用者よりも来店回数が多く、月間の買い上げ金額は高くなっている。つまり、来店回数が多い優良顧客が積極的に利用している傾向があるという。また、自店舗への囲い込みができているそうだ。
続けて、凸版印刷 トッパンアイデアセンター 後藤達明氏が、ハウス電子マネー導入により、蓄積された購買データを分析することで、どのように顧客の姿を捉えることができるようになったかを共有するとともに、凸版印刷の「お買い物アプリ」「次世代決済マーケティング」を用いたCRM手法について講演した。
最後は、「デジタルマーケティングのビジョンと取り組み」について、凸版印刷 トッパンアイデアセンター 名和正道氏が講演。デジタル化の次の潮流について解説するとともに、凸版印刷の統合データマーケティングプラットフォーム「IDMP(アイ・ディ・マーケティング・プラットフォーム)」について紹介した。
なお、ユーザー会後は懇親会も行われ、ギフト・プリペイドカードを発行する企業同士の親交を深めた。