2015年12月28日13:41
ジェムアルト(Gemalto)は、2015年12月24日、データ漏えいが顧客ロイヤルティに与える影響についてのグローバル調査結果を発表した。同調査は、ジェムアルトがVanson Bourne社に委託したもので、2015年10月および11月に5,750名の消費者を対象に実施した聞き取り調査の結果に基づいている。内訳は、米国で1,500名、ブラジルで500名、英国、オーストラリア、日本、フランス、ドイツの各国で750名となる。
その結果、グローバル調査の対象となった消費者の3分の2近く(64%)が、金融情報の盗難被害に遭った企業で、再び買物や取引をすることは「まずない」と回答した。また、ほぼ半数(49%)が、個人情報のデータ漏えい事件を起こした企業で、再び買い物や取引をすることは「まずない」と回答。
また、10人中 6人(59%)がホリデーシーズン中に個人情報に対する脅威は増加すると回答。また、10人中2 人(18%)がホリデーシーズン中にデータ漏えいの被害に遭う可能性が高いと確信しているそうだ。
さらに、調査では、企業が顧客データの保護やセキュリティを重要視している、と考える回答者はわずか4分の1(25%)にとどまっていることが明らかになった。この2倍にあたる回答者が、顧客データの保護や安全性確保に対する責任は企業にある(69%)としたのに対して、個人にあるとの回答は31%だった。就業者では、雇用者の約5分の2(38%)が従業員のデータの保護やセキュリティをあまり重視していないと回答した。
同調査では、31%の回答者が過去にデータ漏えい被害に遭ったことが明らかになった。およそ10人中4人がデータ漏えいの被害に遭った最も可能性の高い原因として、不正なウェブサイトへの訪問(42%)、フィッシング攻撃(40%)もしくは不正なウェブサイトへのリンクのクリック(37%)を挙げた。多発するデータ漏えい事件により、多くの人々が日々の業務に対しても不安感を募らせおり、5分の1近く(19%)の回答者が 12カ月から3年以内に被害に遭う可能性が高いと感じている。
また、回答者の 90%は、個人情報の保護やセキュリティに重大なリスクをもたらすアプリやウェブサイトが存在すると回答。55%の回答者はソーシャルメディアサイトが最もリスクが高いと確信しており、およそ5人中2人の回答者はアダルトコンテンツや他人とアプリやファイルを共有するトレントアプリ/ウェブサイトが個人情報のセキュリティに最大のリスクをもたらすと答えている。
さらに、データ漏えいの被害に遭った回答者のおよそ4分の1(23%)が、個人情報のデータ漏えいを起こした企業に対して、訴訟を起こしたことがあるか、もしくは起こすことを検討するとしている。ほぼ半数(49%)の回答者が、個人情報の流出に関与した関連組織に対して、訴訟を起こす、もしくは起こすことを検討すると答えている。
調査では、リスクが高いと分かっていながら、過半数(54%)の回答者が、オンラインアカウントの全てもしくは一部で同じパスワードを用いていることが判明した。ソーシャルメディアアカウントを積極的に利用する回答者のうち、ソーシャルメディアアカウントの安全性を確保するために二要素認証を利用しているのはわずか 4分の1(25%)にとどまった。インターネットバンキングやモバイルバンキングを積極的に利用する回答者では、およそ5分の3(58%)が、インターネットバンキングの安全性確保に取引銀行全てが二要素認証を導入していると答えている。しかしながら、小売業者において、二要素認証はあまり広く採用されていない。オンラインショッピングを積極的に利用する回答者のうち、利用するオンラインショッピングサイトのアプリやウェブサイト上で、オンライン取引の安全性確保のための二要素認証が導入されていると回答したのは、4人に1人(25%)にとどまった。