1億以上の楽天会員をリアルに送客する「楽天ポイントカード」は順調に成長

2016年2月15日8:00

リアルとネットを横断した日本一貯まり、使いやすいポイントを自負

楽天は、加盟店でカードを提示すると、「楽天スーパーポイント」が貯まり、使える「楽天ポイントカード」を展開している。インターネットで圧倒的な力を誇る「楽天スーパーポイント」を有する楽天だが、リアルの世界でも着実にサービスが浸透している実感があるそうだ。2014年10月のサービス開始から約一年半の成果について話を聞いた。

ネットとリアルを合わせ57万店舗でサービスが利用可能
リアルでの名称を「楽天ポイントカード」に変更

「楽天ポイントカード」は、加盟店舗での買い物やサービス利用時にカードまたはスマートフォンアプリに表示されるバーコードを提示するだけで、ポイントが貯まるサービスとなる。1億590万人の楽天会員は、楽天グループの各種サービスでも利用できる「楽天スーパーポイント」を貯めたり使ったりすることができ、現在、コンビニや百貨店、飲食店、ガソリンスタンドなどで導入されている。

サービス開始時には、出光興産、大丸・松坂屋、サークルK・サンクス、ポプラなどで「楽天スーパーポイント」が貯まるサービスとしてスタートしたが、その後も伊藤忠エネクス、キグナス石油、日本駐車場開発、ツルハ、しゃぶしゃぶ温野菜、つるやゴルフ、マツゲンなど、利用可能店舗は拡大している。

「楽天では、「楽天スーパーポイント」と「楽天Edy」の相互交換を行っており、2クリックでシームレスに交換できて、「楽天Edy」の加盟店で使えるようにしています。現在は、楽天のサービスを加盟店に合わせて提案しており、ネットとリアルを合わせ約57万店で「楽天スーパーポイント」が利用できます」(楽天 執行役員 ポイントパートナー事業 中村晃一氏)

楽天 執行役員 ポイントパートナー事業 中村晃一氏
楽天 執行役員 ポイントパートナー事業 中村晃一氏

中村氏は、楽天のポイント展開の強みとして、「ネットとリアルの決済を中心にいろいろな場面でポイントが貯まります。おそらく日本でもっとも貯まりやすいポイントではないかと考えています」と語り、自信を見せる。楽天では70のサービスを展開しているが、さまざまなシーンでポイントが付与され、利用できる。また、「楽天市場や楽天カードなど、ポイントの発行量も圧倒的に出ています」と口にする。

2015年11月5日からは、サービスの認知を図るため、リアルで利用できる「Rポイントカード」の名称を「楽天ポイントカード」に変更。楽天では「Rポイントカード」に関するアンケートを実施したが、まだまだ「楽天スーパーポイント」が貯まるリアルでのポイントカードとしての認知度は低いため、企業名を冠した名称を採用することで、楽天グループの共通ポイントカードとしてさらなる浸透を図る目的があるという。

リアルでのポイント利用者は順調に増加
コンビニやガソリンスタンドでは複数企業が参画

「楽天ポイントカード」の約1年成果として、リアルでの利用者は順調に伸びている実感があるそうだ。「ポイントカードから楽天市場の会員になった方は相当数います」(中村氏)。楽天としてリアルでの展開を後押ししており、たとえば、グループのアプリに「楽天ポイントカード」が利用できるバーコードを搭載している。現状、リアルでの利用はプラスチックカードの方が多いが、一度利用した人はアプリに移行する傾向がある。楽天では、期間限定のポイントキャンペーンの告知、近隣の利用可能店舗の検索機能など、アプリを活用した取り組みを積極的に展開している。

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「楽天ポイントカードアプリ」では、アプリ限定のキャンペーンも実施

さらに、楽天ならではの特徴としては、「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」の会員ランクアップ制度が挙げられるが、アプリで現在の自身のランクが確認できるため、ユーザーのモチベーションアップにつながっている。

また、他の共通ポイントプログラムの場合、大手のナショナルチェーンは一業種一社が基本となっていたが、「楽天ポイントカード」ではオープン化戦略をとっており、特に縛りを設けていない。すでに、コンビニエンスストアは2社、ガソリンスタンドも3社と契約している。

「たとえば、決済の世界では、クレジットカードも以前は信販会社などと個別の提携が必要でしたが、現在はオープンな世界になり40兆円の市場となっています。電子マネーも当初は囲い込みからスタートしましたが、たとえば弊社のある二子玉川ではPASMOと「楽天Edy」の乗り合い端末の設置を進めています。弊社では、もっとポイントサービスは広がると考えており、オープンにいろいろな企業に参加いただきたいです」(中村氏)

「楽天ポイントカード機能付き楽天カード」を発行
楽天カードや楽天Edyなどグループシナジーを生かす

会員サービスのさらなる向上にも取り組んでいる。従来50ポイント以下は貯まったポイントが利用できなかったが、1ポイント単位からポイントを利用できるようにした。中村氏は、「リアルでのお客様の利用動向を見て、ウェブに反映することでサービスが向上しています」と成果を口にする。

また、楽天と楽天カードは、2015年12月17日から、楽天ポイントカードと楽天Edyの機能が付いた一体型のクレジットカード「楽天ポイントカード機能付き楽天カード」の申込・発行を開始。楽天ユーザーはこれまで、クレジットカードや共通ポイント、電子マネー機能の付いたカード等をそれぞれ保有し、提示する必要があったが、今後は同カードを1枚保有すれば、クレジットカード、電子マネー、現金のいずれの決済手段を選択しても、「楽天スーパーポイント」を使えて、貯めることができるため、より便利になると期待している。

今後発行するカードは、「楽天カード」だけでなく、「楽天PINKカード」、「楽天プレミアムカード」、「楽天ブラックカード」、「楽天カードアカデミー」のすべてに「楽天ポイントカード」機能が標準搭載となる
今後発行するカードは、「楽天カード」だけでなく、「楽天PINKカード」、「楽天プレミアムカード」、「楽天ブラックカード」、「楽天カードアカデミー」のすべてに「楽天ポイントカード」機能が標準搭載となる

楽天では今後も、ネットとリアルを横断した取り組みとして、楽天カードや楽天Edyなどと連携し、ポイント戦略を強化する方針だ。現在、世の中ではさまざまなポイントサービスが展開されているが、「楽天ポイントカード」をより多くのシーンで提示してもらえるようなサービスを目指す方針だ。

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