2016年3月31日20:44
凸版印刷は、非接触ICクレジットや電子マネー、会員証などの機能をNFC対応スマートフォンに発行するサービス「TOPPAN SP-TSM(トッパン エスピー・ティーエスエム)」を提供している。このほど同サービスを活用した「MasterCard Contactless」と「Visa payWave」の非接触ICクレジット発行の商用サービスが、日本で初めて3キャリアに対応し、ジャックスが2016年4月1日より提供する「ジャックスモバイル決済サービス」で採用されたと発表した。
今回開始する商用サービスは、NFC対応スマートフォンの電話番号を特定する固有ID番号が入ったICカード(UICC)内へ、クレジットカード会社に代わって、ネットワークを通じてクレジットデータを配信・管理するサービスとなる。具体的には、クレジットカード会社から受け取ったデータを元に凸版印刷がICデータを生成。非接触ICクレジット発行データに加工し、NFC対応スマートフォンのUICCに、ネットワークを通じて書き込みを行う。生活者は、専用のアプリケーションをNFC対応スマートフォンにインストールすることにより、NFC対応スマートフォンをかざすだけで決済を完了できる。
「ジャックスモバイル決済サービス」においては、この非接触ICクレジットの発行はもちろん、専用のユーザインタフェース(UI)アプリケーションの開発も行ったという。
「TOPPAN SP-TSM」では2013年のサービス開始当初から、ジェムアルト社のSP-TSMサーバを活用している。さらに、凸版印刷が保有するICデータ生成や鍵管理、アクセスコード生成、スマートフォンへの個人データ配信などのセキュリティ技術を活用することで、高い信頼性と品質を保証しているそうだ。
また、国際ブランドのペイメントカードや、国内のローンカード、キャッシュカードなどの多様なサービスに拡張性がある。また、導入企業の既存スマートフォンアプリとの連携による、決済情報と連動したCRM施策のサポートなど、マーケティング分野への拡張も可能だ。
そのほか、2年超にわたる商用サービスの運用から得られたノウハウを基に、国際クレジットブランドやモバイルキャリアへの申請に必要な各種書類作成を、導入企業に代わって実施する。
凸版印刷は今後、非接触IC決済サービスだけでなく、クレジットカード会社のカード会員に対し、クーポンなど優待情報の配信や、GPS機能を組み合わせた加盟店への送客など、モバイル決済サービスを幅広く支援していく方針だ。また、流通業界などに向け、NFCテクノロジーを活用したプロモーションやソーシャルネットワークサービスをトータルで提供する。
凸版印刷はこれらのサービスを融合させた決済関連ソリューションを積極的に拡販し、2018年までに関連サービスを含め約100億円の売上を目指す。