「J-Mups」で様々なニーズに応え、加盟店から選ばれるアクワイアラを目指す(三菱UFJニコス)

2016年4月7日9:05

三菱UFJニコスのアクワイアリングの状況は?

三菱UFJニコスでは、クラウド型マルチ決済システム「J-Mups」に対応した決済端末の推進を強化している。J-Mupsのサービス開始から3年半が経過した同社のアクワイアリング(加盟店開拓等)の状況について話を聞いた。

インバウンド需要で銀聯や他通貨決済の導入が加速
5,000円以下の単価の店舗では電子マネーの導入が多い

「J-Mups」は、三菱UFJニコスとJR東日本メカトロニクスが構築した専用のサーバーに集約したクレジットカード、銀聯カード、各種電子マネーの各決済機能を、加盟店に設置した決済端末やPOSからインターネット経由で利用できる仕組みである。端末の価格は、従来の約3分の1を実現。加盟店は、安価なシステム利用料のみで端末を利用可能だ。2015年7月からは、パナソニック製の新端末の設置を中心にアクワイアリングを展開している。

三菱UFJニコス アクワイアリング推進企画部 アクワイアリング企画グループ 調査役 佐藤克徳氏は、「現在、前年比約150%の成長でJ-Mups端末の設置ができています。この数字はお客様よりご支持を得られている結果が実績として表れているものだと思います」と成果を口にする。

三菱UFJニコスでは、地方のスーパーマーケット、ドラッグストア、少額の飲食など、クレジットカード決済端末がまだ設置されていない店舗などに対しても積極的に営業を行っている。

ここ1~2年は、インバウンド需要の高まりを受け、銀聯、多通貨決済サービス(DCC)等の引き合いが増えている。以前は都心の店舗が中心だったが、近年は地方の加盟店からも引き合いが寄せられている。

三菱UFJニコス アクワイアリング推進企画部 アクワイアリング企画グループ 調査役
三菱UFJニコス アクワイアリング推進企画部 ネットワーク企画グループ 調査役 小澤達氏

また、Suica等の交通系電子マネー、nanaco、WAON、楽天Edy、iD、QUICPayなど、主要な電子マネーにも対応可能だ。三菱UFJニコス アクワイアリング推進企画部 ネットワーク企画グループ 調査役 小澤達氏は、「単価が5,000円に満たない店舗においては、かなりの率で電子マネーをご導入いただいています」と話す。当初は交通系電子マネーからスタートしたため、交通系電子マネーの引き合いが継続して多いが、WAONやnanacoは地方で加盟店が増えているため、「まんべんなくどの電子マネーもお選びいただいています」と同氏は口にする。

ユーザビリティに優れた新端末を設置
スピードが速く、トータルコストの抑制につながる

さらに、東京都世田谷区の自由が丘商店街では、東急カードのTOKYUポイントが利用できる環境を整備するなど、マーケティング機能を搭載するケースも増えてきた。

J-Mups端末は、「画面の傾き、タッチパネルの感触など、よりユーザビリティが強化されたと感じている。佐藤氏は、「タッチした際に音が出たり、押したときに影が出るなど、店舗の方が扱いやすいように意識されています」と説明する。

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決済機能を、加盟店に設置した決済端末やPOSからインターネット経由で利用可能

また、通信回線がアナログやASDLだった頃よりも、スピードは早いという評価を得ているそうだ。さらに、インターネット回線に切り替わることで、「専用線の基本料やトランザクションで発生していた通話代も抑えることができるため、トータルコストの削減につながります」と佐藤氏は自信を見せる。

EMVやPCI DSS準拠に向け引き合いが寄せられる
POSベンダーや加盟店のコストを抑制へ

セキュリティ面では、端末側にセンシティブ情報を保持しない設計を実現。サーバーはペイメントカードの国際基準である「PCI DSS」に準拠している。昨今では、EMV対応やPCI DSS準拠に向け、POS接続で悩むPOSベンダー、組み込み型の加盟店からも引き合いも増えている。

三菱UFJニコス アクワイアリング推進企画部 アクワイアリング企画グループ 調査役 佐藤克徳氏
三菱UFJニコス アクワイアリング推進企画部 アクワイアリング企画グループ 調査役 佐藤克徳氏

「POS側のEMV対応を進めることも含め、自らPCI DSS準拠にするのはコストがかかりますが、J-MupsはPCI DSSにも準拠していますので、POSベンダーや加盟店のコストを抑制することもできると考えています」(佐藤氏)

近年では、より低コストなmPOS(モバイルPOS)なども登場しており、加盟店ニーズに応えるためJ-Mupsにおいても安価なmPOSの提供も検討しているという。

NFC決済への対応も検討
設置台数の目標は?

今後のJ-Mupsセンターの予定として、Visaの「Visa payWave」やMasterCardの「MasterCard Contactless」、JCBの「J/Speedy」等への対応が期待される。小澤氏は、「海外からお越しになられるお客様への対応ということでニーズは増えてくると考えられ、国内でも普及していく可能性があるので、検討していかなければならないと考えています」と口にする。

同氏は、「クラウド型なので、センター側にアプリケーションを追加していくことで、お客様にいろいろな決済手段や販促のツールを導入していただきやすいセンターを目指していきたいですね。マーケットニーズがあるサービスについては対応していき、より一層サービスに磨きをかけていきたいです」と意気込みを見せる。具体的な設置目標台数は非公表だが、今後も、現状同等かそれ以上のペースで設置を伸ばしていきたいとしている。

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