2016年4月21日9:40
Bell IDは、EMVCoのトークン化(TSP)、機密情報をクラウドで管理する「HCE(Host Card Emulation:ホスト・カード・エミュレーション)」、SIMベースのNFCサービス、組み込みのセキュアエレメントなどをサポートしている。同社のHCEプラットフォームは、Visa、MasterCard、American Expressの認証を取得し、国際3ブランドから認証を受けた最初の企業となった。
カナダのInterac Associationにもサービス提供
世界で20のプロジェクトが進行
Bell IDのHCEソリューションは、2013年にカナダのRBC(Royal Bank of Canada)で採用がスタート。オーストラリアとニュージーランドの銀行となるANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)でのプロジェクトも開始した。また、カナダのInterac Associationとはデビットカード「Interac」の独自のトークンの生成と管理サービスを構築し、同国の金融機関や加盟店にサービスを提供するそうだ。
Bell ID マーケティング ヘッドのAndré Stoorvogel氏は、「世界中でHCEの採用は加速しており、現在、20のプロジェクトが進行しています」と話す。最近の採用企業は、HCEとトークナイゼーションを組み合わせてサービスを提供するケースがほとんどだ。また、セキュアエレメントにトークンの情報を格納するプロジェクトもあるという。
HCEは国際3ブランドから認証を受けた初のベンダーに
ブロックチェーンの技術も研究へ
Bell IDのHCEプラットフォームは、Visa、MasterCard、American Expressという、国際3ブランドの決済スキームをカバーした初のベンダーとなった。これにより、HCEの採用をグローバルで加速させることができるとみている。
Bell IDでは、イシュアに対し、Samsung Pay、Android Pay、Apple Payといったモバイルソリューションの導入をサポートしている。採用企業の中には、AndroidとiOS双方に対応するため、たとえばSamsung PayとApple Payといったように、複数のウォレットを採用するイシュアも目立つ。また、独自のモバイルウォレットを展開する場合もある。
2014年から2015年にかけて総収入は2倍に増えるなど、同社のビジネスは好調だ。また、日本等のアジアでも大手イシュアとのプロジェクトが進行しているという。Bell IDでは、モバイル決済を継続して強化するとともに、ブロックチェーンの技術にも目を向けていきたいとしている。
※取材は2016年2月22日~25日までスペイン・バルセロナで開催された「モバイル・ワールド・コングレス2016」にて