2016年7月28日8:24
店頭でチャージ、ハウスカードとしてWEBでの利用も可能
レンタルビデオ店や中古買い取りショップなどを運営するゲオホールディングスは、2016年2月から、新たな決済手段として独自の決済サービスを開始した。プリペイドカード「Lueca(ルエカ)」はグループの約1,600店舗やECサイトでシームレスに決済できるうえ、中古品を売却した際の代金チャージも可能なことが特徴だ。取得方法や決済の敷居が低くチャージ還元率は大きいため、手軽で利便性の高いサービスとして顧客にアピールし来店促進につなげる方針だ。今年度中にはゲオ会員カードの約1割に当たる150万枚の発行を目指す。
買取チャージや高還元率で他社と差別化
取得時の手軽さ・決済時の簡便さで訴求
ゲオでは、店舗とWEBサイトのシームレス化というオムニチャネルリテイリングを推進するうえで店舗顧客の決済手段を分析したところ、大半が現金であったため、クレジットカードやキャリア決済以外に店舗でもWEBでも使える手軽な決済手段が必要と考えた。汎用性が高い非接触電子マネーも検討したが、発行時に入会・登録・審査などの手間がなく、手数料が安価なうえに自社で自由に施策連動や顧客還元といった販促が可能なハウスカードが最適と判断した。
流通業界ではさまざまなプリペイドサービスが展開されており、汎用的な電子マネーと比べると「Lueca」の利用範囲は限られるものの、他社との差別化策を打ち出すことで付加価値を付けることにした。その1つが中古品の買い取り代金チャージで、グループの中古ショップ「セカンドストリート」などで顧客が中古品を販売した際の代金をそのまま「Lueca」に貯めることができる。
もう1つはサービス開始時に実施したボーナスバリューの高さで、現金の場合は5%、買い取りの場合は10%という高還元率で訴求。6月以降はスタンダードな還元率に変更し3,000円で1%、5,000 円で3%、1万円以上で5%の比率としたが、顧客の動きを把握したうえで、再変更していくことも視野に入れる。
「Lueca」のチャージは1回1,000円単位と手軽で、上限額は5万円。有効期限は5年間に設定しており、全国のゲオグループ店頭にて発行する。ゲオショップ、セカンドストリート、ゲオモバイル、宅配レンタルといったWEBサービスなどに加え、映像配信サービス「ゲオチャンネル」での利用も進める。ゲオ オムニチャネル推進部ゼネラルマネージャー 齋藤琢磨氏は、「WEBサービスの決済は現在クレジットカードやキャリア決済が中心だが、店舗でチャージした『Lueca』をWEBでも使えることで顧客の選択肢や利便性も広がると考えます」と説明する。
ゲオでは、ロイヤリティマーケティングが運営する共通ポイントカード「Ponta」も引き続き扱っているが、顧客にとって「Lueca」とは使い勝手が異なるため差別化が可能と捉えている。「Ponta」は商品購入した際にポイントを貯める楽しみや、加盟するさまざまな店舗やECサイトで使える汎用性の高さが特徴となる。一方で「Lueca」は入会・登録手続きが不要という取得時の敷居の低さや、サイン・暗証番号入力も要らないチャージ時や決済時の簡便さ、買い取り代金のチャージも可能なことなどが特徴という。
会員動向は「Ponta」のIDで分析ができ、CRM施策もこちらで行えることから、「Lueca」にはCRM機能などは付加せずあくまでも決済の仕組みとして導入している。
※「プリペイドカード&ギフトカードガイドブック」から一部抜粋