2016年10月26日21:28
Visaは、米国時間の10月25日、外部パートナー企業との連携によるVisaトークンサービス(VTS)の提供を通じて、セキュアなデジタル決済の浸透を加速させると発表した。テクノロジー企業、デバイスメーカー、カード発行会社、IoT企業、ウォレットプロバイダー、加盟店など、新たなパートナーによる VTS へのアクセスを拡大することで、さらに迅速かつ容易にセキュアなデジタル決済サービスをあらゆるデバイスを介して市場に提供できるようになる。
最初の試みとして Giesecke and Devrient(G&D)、Gemalto、INSIDE Secureの3社が、Visaのトークンサービスプロバイダープログラムのパートナーとして、新たに拡大されたVTSへのアクセスを提供する。
Visaトークンサービスは、口座番号や有効期限など、カードホルダー情報を一意的なデジタル識別子(トークン)に変換し、カードホルダー口座の機密情報を開示せずに決済を行うためのセキュリティー技術となる。トークナイゼーションにより、デジタル環境での決済時は、消費者の口座情報を含む機密情報を見えないようにすることで、デジタル決済をより安全に行えるようにする。
Visa のトークンサービスプロバイダープログラムは、テクノロジー企業がVTSなどVisaの幅広いツールやサービスのネットワークや開発およびマーケティング支援にアクセスするための標準的なアプローチを提供する。また、さまざまな企業が新しく、安心・安全なデジタル決済サービスを開発できるようにし、EMVCoトークン規格で目指す一貫性を確保するとしている。
Visa のトークンサービスプロバイダープログラムでは、イシュアーTSPとトークン・リクエスターTSPを提供する。イシュアーTSPは、Visaトークンサービス(VTS)などのネットワークに接続する認定パートナーで、金融機関向けのプロビジョニング、消費者認証、トークンライフサイクル管理のほか、Capital One Wallet、PNC Virtual Wallet、U.S. Bank Mobile Wallet、Wells Fargo Wallet、Apple Pay、Samsung Pay、Android Pay などトークン・リクエスターのトークンVTS通知などのソリューションを提供する。
トークン・リクエスターTSPでは、VTSなどのネットワークに接続する認定パートナーで、トークン・リクエスターがVTSによる消費者デジタル決済ソリューションを開発することが可能となる。トークン・リクエスターの決済アプリケーションや、携帯電話、今後拡大が見込まれるインターネット接続機器などの消費者端末でVisa決済トークンのプロビジョニングやライフサイクル管理が可能だ。