2017年3月7日0:00
キャッシュレス決済に関わるインバウンド対応や業務の効率化をサポート
30年以上にわたり高品質な決済ネットワーク「CAFIS(キャフィス)(注1)」を提供し続けているNTTデータ。その「CAFIS Arch(キャフィス アーチ)」は、加盟店の決済端末に多様な付帯機能を提供するクラウド型総合決済プラットフォームだ。クレジットカードやデビットカード、電子マネー決済をはじめ、多通貨決済などのインバウンド向け機能も手厚い。さらに、免税書類発行や駐車券システム連携など、周辺機能もオールインワンできる。
多様化する顧客ニーズへ迅速対応
加盟店が必要機能を取捨選択できるセミオーダー感覚の端末
「CAFIS Arch」はクレジットカード、デビットカード、電子マネーをはじめとする決済機能をはじめ、CLO(Card Linked Offer)、電子サイン等の幅広い決済付帯機能を有するプラットフォームだ。端末は機種依存型ではなく、多くの決済機能を「CAFIS Arch」のセンター側で保持するクラウド型のため、加盟店は利用時にセンターにアクセスすればよい。
センター側に新たな決済アプリケーションを追加すると、端末側ですぐに利用可能となる。その時々に必要な決済手段をタイムリーにデリバリーでき、加盟店側では要る機能と要らない機能を取捨選択できるというコンセプトだ。さらに、設置が容易で、決済取引データはセンター側にあるため日計処理等が不要になる点もメリットだ。保守員による端末メンテナンスがほぼ必要ないのも利点といえる。
端末の種類は、据置型、モバイル一体型、スマートデバイス連携型の3タイプ。パナソニックシステムネットワークス製の据置型は、筐体は小さいながら、タッチパネルによる高い操作性・視認性をもつ大型ディスプレイが目を引く。拡張性を意識しており、非接触IC(電子マネー)リーダーライターや電子サインパッド、バーコードリーダー等の周辺機器を接続することで、各種決済や免税処理、クレジット決済時のサインの電子化など多様なサービスが実現する。
NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 ビジネス企画統括部 ビジネス企画担当 課長代理 冨田誠氏は、「シンクライアント方式の採用により、データの非保持化を実現するなどセキュリティの観点からも、この『CAFIS Arch』は従来のINFOX端末より優れています。また、ペーパーレス化によって書類送付などの事務運用費を下げることもでき、お客様にコストメリットをご提供できます」と説明する。
モバイル一体型端末は店舗内利用としても人気
2017年にはスマートデバイス連携型も登場
従来同様のモバイル通信に加え無線LANも使えるモバイル一体型は、据置型と同じくパナソニックシステムネットワークス製。液晶タッチパネルによる高操作性の大型ディスプレイを採用し、実用性と持ちやすさを両立した人間工学に基づくデザインとなっている。2017年中に電子マネー決済にも対応予定だ。
住友生命保険相互会社では2016年、このモバイル一体型を、生損保外交員のスミセイ ライフデザイナーが顧客訪問時に携行する「スパットくん」に採用。保険契約の際に、クレジットカード等による初回の保険料支払いと、2回目以降の支払いに必要な手続き(ペイジー口座振替契約受付サービス)を1台で実現でき、電子サインの入力もできる。
こうした外回りでの活用はもちろんのこと、同端末は飲食店でのテーブルチャージなど、店舗内利用でも好評を得ているという。同部 課長代理 篠崎妙子氏は、「据置型と同じくポイントサービスや外貨決済の機能もありますので、ハイブランドのショップ様やショッピングセンター(SC)様など、店舗内利用で選ばれるケースも多いですね」と語る。
2017年にはさらに、店頭などで業務利用しているタブレットやスマートフォンの通信機能を利用し、連携して決済を実現する、スマートデバイス連携型(キヤノンマーケティングジャパン製)の端末も登場。プリンタ一体型で、盗み見対策のピンパッドカバーなど、対面決済のニーズを反映した仕様となっている。
銀聯、シンハンに加え台湾キャッシュカードでの支払いも可能に
「CAFIS DCC」では電子サインパッドに多通貨の国旗を表示するスタイルも好評
「CAFIS Arch」立ち上げ時からのメインコンセプトのひとつに、訪日外国人観光客(インバウンド)対応がある。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、インバウンドの一層の増加が見込まれており、現在その約65%を占める中国、韓国、台湾からの訪日客の利便性向上に取り組んでいる。
自国の主要な決済手段を日本でもそのまま使いたいという要望に応え、すでに銀聯カードやシンハンカードでの決済機能を搭載しており、銀聯については今年の初夏までにIC対応も予定。さらに2016年3月、北海道銀行、道銀カードとともに、台湾15行の金融機関と台湾キャッシュカードの利用促進取扱いに関する契約を締結し、今年中に「台湾金融カードショッピング」を対応開始となる。
加盟店としては、インバウンド消費の取りこぼしを防ぐことで一層の売上拡大を見込めるため、今後も積極的に海外ローカルの現地決済に対応していきたいとしている。
従来は手書きの必要があった免税購入記録票の作成を手短にできる機能も備えた。必要情報を入力し、専用リーダでパスポートを読み取るなどの簡易な作業で発行可能となる。煩雑な作成処理を約1~2分で迅速に終えることができ、買い物客の待ち行列を防げる。
あわせて、多通貨決済サービス「CAFIS DCC」も提供。訪日客は自国通貨建てでのクレジットカード決済が可能で、為替変動を気にせず買い物ができる。現在、米ドルやユーロ、人民元など29の通貨に対応。それら通貨の国旗を、据置型端末の周辺機器である電子サインパッド上に表示し、利用したい通貨を客に選択してもらう形をとる。外国語で説明しなくても、ディスプレイを見せれば指差しで選んでもらえる。
「従来は伝票が出てお客様に説明するという行為があったのですが、国旗選択ができる仕様になってから、ヒットレートが2倍くらいになった加盟店もあります」と篠崎氏は明かす。
冨田氏は「外貨取引が多いお店様には、特に支持していただいています。もともと弊社のINFOX端末をお使いの『CAFIS DCC』加盟店様が、電子サインパッドの導入により利用率を上げるという観点から、こちらの端末に置き換えるケースも増えています」と想定外の引き合いを語る。なお、この電子サインパッドには株式会社ワコムのデジタルサイン用液晶タブレットを採用している。
POSのIC化が推進される昨今において、CCT(Credit Authorization Terminal、加盟店信用照会端末)が採用されるケースも多くなっており、「CAFIS Arch」端末はCCTとして初のシンクライアント端末であり、優位性が高い。篠崎氏は「電子サインなど、CCTでは機能が足りなかった点もご評価いただいています」と説明する。
▶加盟店の独自業務も一台完結で効率アップ 昨年開業の東急プラザ銀座など多くのSCに導入
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